私の課には、なかなかの逸材が揃っている。
中でも、古川君は何をさせても卒がない。
しかもアイデアマンときているから、上司や先輩からの受けがいい。
だから、仕事がよくわかっていない私よりも部長等は彼に仕事の内容を聞く。
私はといえば、説明する彼の横でフムフムと聞いているだけ。
また、彼は顔も丹精でなかなかの男前で、困ったときでも顔色ひとつ変えないから、上司としては安心して横にいてもらえる。
どちらかといえば彼の方が上司である。
でも、私は不思議と彼に対して腹が立たない。陰で努力していることも読み取れる。内の部署は、公民館関係と青少年育成関係の二つに大きく分けられるが、彼だけは両方に精通している。
彼は今、公民館関係の担当だが、3月までは青少年育成関係の担当だった。
そのせいか、今は担当でなくても引っ張り出されるのである。
そして、今日、彼が苦労して考えた事業計画を根底から批判してしまった。
それだけではない、この4月から、私は彼に辛く当たっている。
なぜ、そこまで辛く当たるのか反省しながら考えてみると、彼が今まで培ってきた自信を壊したいからかもしれない。
なぜ、壊さないといけないのか。彼に対する嫉妬か。確かに、彼はさまざまな経験をしてきている。苦しんだ分だけ自信も持っている。
そのことは、見ていてよくわかる。
でも、彼を知らない人は彼をどのように評価するのだろうかとふと考えた。
彼の背景、彼の苦しみ、そのすべてを知らない人が彼を見たとき彼をどう思うのだろうかと。
寡黙で、その反面、情熱家である彼の性格は、本当はナイーブで繊細なのではないか。でも、現実はクールガイに見える彼から発せられる言葉が、時に人にとっては厳しく聞こえ、彼の意図することが見えないでいるような気がする。
本当に損をしている。彼は、とっても温かく心根のやさしい男なのに。
そして、とってもすばらしい計画も実現化できないでいるジレンマの塊の彼がいる。人を動かす魅力が増えればもっと成長するはずなのに。
そんな彼に次のような話を贈ります。
竹の種子が地上から芽を出すには長い年月が必要なのを知っていますか。
最初の4年間、目に見える成長はないのです。
しかし、5年目でようやく地上から芽を出すと、わずか6週間で30メートルにまで伸びるそうです。
人の成長も竹の成長に似ています。
短期間で急成長しているように見えても、本当はその人のそれまでの地道な努力が急成長を可能にしているのです。あせる必要はありませんよ。
真の成長を遂げるためには、自分が慣れ親しんできたものを捨てて、常に未知のものを追い求める真摯な気持ちさえあればいいのです。
そして、成長したら雪の重さにも耐えられるしなやかさをもってくださいね。
中でも、古川君は何をさせても卒がない。
しかもアイデアマンときているから、上司や先輩からの受けがいい。
だから、仕事がよくわかっていない私よりも部長等は彼に仕事の内容を聞く。
私はといえば、説明する彼の横でフムフムと聞いているだけ。
また、彼は顔も丹精でなかなかの男前で、困ったときでも顔色ひとつ変えないから、上司としては安心して横にいてもらえる。
どちらかといえば彼の方が上司である。
でも、私は不思議と彼に対して腹が立たない。陰で努力していることも読み取れる。内の部署は、公民館関係と青少年育成関係の二つに大きく分けられるが、彼だけは両方に精通している。
彼は今、公民館関係の担当だが、3月までは青少年育成関係の担当だった。
そのせいか、今は担当でなくても引っ張り出されるのである。
そして、今日、彼が苦労して考えた事業計画を根底から批判してしまった。
それだけではない、この4月から、私は彼に辛く当たっている。
なぜ、そこまで辛く当たるのか反省しながら考えてみると、彼が今まで培ってきた自信を壊したいからかもしれない。
なぜ、壊さないといけないのか。彼に対する嫉妬か。確かに、彼はさまざまな経験をしてきている。苦しんだ分だけ自信も持っている。
そのことは、見ていてよくわかる。
でも、彼を知らない人は彼をどのように評価するのだろうかとふと考えた。
彼の背景、彼の苦しみ、そのすべてを知らない人が彼を見たとき彼をどう思うのだろうかと。
寡黙で、その反面、情熱家である彼の性格は、本当はナイーブで繊細なのではないか。でも、現実はクールガイに見える彼から発せられる言葉が、時に人にとっては厳しく聞こえ、彼の意図することが見えないでいるような気がする。
本当に損をしている。彼は、とっても温かく心根のやさしい男なのに。
そして、とってもすばらしい計画も実現化できないでいるジレンマの塊の彼がいる。人を動かす魅力が増えればもっと成長するはずなのに。
そんな彼に次のような話を贈ります。
竹の種子が地上から芽を出すには長い年月が必要なのを知っていますか。
最初の4年間、目に見える成長はないのです。
しかし、5年目でようやく地上から芽を出すと、わずか6週間で30メートルにまで伸びるそうです。
人の成長も竹の成長に似ています。
短期間で急成長しているように見えても、本当はその人のそれまでの地道な努力が急成長を可能にしているのです。あせる必要はありませんよ。
真の成長を遂げるためには、自分が慣れ親しんできたものを捨てて、常に未知のものを追い求める真摯な気持ちさえあればいいのです。
そして、成長したら雪の重さにも耐えられるしなやかさをもってくださいね。