走る営業公務員、奮闘記!!

地方分権が進展する中での地方からみた木っ端役人の奮闘記です。

普段着の気楽さ

2011年05月20日 19時24分43秒 | 考え方
 「私は子どもの頃、ひどいくらい人見知りで引っ込み思案でした」というと、「へぇ~」と言われる。
中には「嘘でしょう」と言われる方までいる。

 とにかく教壇に立って前で説明したり、自己紹介をするときなどは、順番が回ってくるにつれ心臓の動機がだんだん早くなるのがわかった。
そして、自分の番になったとたんに顔が真っ赤になって、次に頭の中が真っ白になって支離滅裂になるのである。

それがいつの間にか、人前で話すのが好きになり、できれば一回でも多く話したいと思うようになった。
この変化のきっかけはなんだったのだろう。

 自信がついたからか。
 では何の「自信?」

 一言で言うなら笑われる自信。
よくよく考えたら、人前に出て笑われないようにと願っていた頃は、おどおどしていた。
社会に出てから、まず自己紹介をする機会が増えた。
あるとき、ふと気づいたのである。
しゃべり方は上手くないのに、笑いの「つかみ」みたいなものを持っている人が。
けっして流暢に話すわけではない。
どちらかと言うと朴訥な感じなのである。
でも、余韻の中で「おもしろかった」のあとに「あじがある」みたいな感じになる。

 真似てみた。
でも上手くいかない。
その内、自分の味とその人の味は違うんだと言うことに気づく。

 そして、落語と「フーテンの寅さん」をよく観た。
話す「所作」が声だけでなく、表情やジェスチャー、そして「つかみ」と「間(ま)」が大事だということも見えてきた。
また、どんな話にも「起承転結」が必要であり、特に「結」の「下げ」という部分がはっきりと言うのではなく、相手側に好きに想像してもらうような「余韻」を残すことの大切さを知る。
 だが理論はわかっても、うまく実践できない。

 そこで考えたのは、自分のような人見知りをする人とたくさんしゃべることだった。

 なぜなら、そういうタイプがどのような人なのか、自分が一番よくわかっていたからである。
こういうタイプは、見えない「心のバリア」で自分自身を覆っている。
その中に入っていくには至難の業である。
ではどうするか。
相手を油断させることである。
緊張しているわけだから、相手のイメージを完璧に壊さなければならない。

 自分をタヌキ化(?)したイラストが入った名刺を渡す。
声には出ないが「エッ」という声が聞こえてくる。
そして、そのイラストと私を比べる。
大体は頭から足の先まで見てくれる。
すかさず「似ているでしょう?」と言うと首を立てにまで振らなくても納得している様子がわかる。
「疲れたときは、この名刺を見て笑ってやってください」という。
相手は、初対面の人から「自分のことを見て笑ってくれ」と頼まれるともっと驚くのだが、そこで簡単にそのバリアが消えてしまう。

 何が言いたいかというと、「普段着の気楽さ(弘兼憲史さんの著作からの引用)」を第一印象で植え付けられるかどうかで、その後の人間関係が決まってくるのである。

 そういうことが本当に自然にできるようになった。
 歳をとったからできる技なのであろうか...


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