古典ですけど,今度この本読みます.
「告白」 井口俊英
最近は責任者個人や会社を特定した巨額損失も巨額詐欺も慣れっこになってきたけど,私の若いころのインパクトの大きい金融不祥事としてはやっぱり「大和銀行ニューヨーク支店巨額損失事件」がダントツ.
当時はTIME誌を定期購読していた時期で,日本人のドでかいニュースなんていうのは野茂秀雄投手や細川首相の突然の辞任なんかしかなかったので,いきなり全く知らない人が出てきたのには驚いた.
しかも桁が凄まじすぎる.
TIMEでも桁間違いをしているのではないかと何度も読み直した記憶がある.
Citibankが彼をヘッドハンティングしようとしてたのも今となっては興味深い.
マネーロンダリング対策で度々日本で行政処分を受けてる銀行だからね.
eセービング口座でお世話になってるけど,3回の行政処分の内,2回で迷惑を被った...といってもお金じゃなくて時間のだけど.
今の金融の世界をみると責任ある人たちがビクビクしているのがわかるよね.
嘘,虚構,不祥事,無能さ,勇気のなさのいずれか何かを隠しているけどばれてたりする.
最後の「勇気のなさ」ってのが結構重要なんじゃないかな.
みんな他人のせいにしようと必死だもんね.
当時の井口俊英氏に共通する心理的なものが現在にも十分見られてるんじゃないかな.
井口氏が告白する勇気を持てたのは対象が嘘と不祥事がリンクしたものだったから,まだ尊厳を取り戻すチャンスが見えたんじゃないかな.
そう考えてみると,現在起こっていることは根が深い.
金融トップ専門懺悔室でも作って,神の思し召しによって担当が代わりましたなんてことを受け入れてあげないと,世界が終わるまで意地の張り合いが続くんじゃないかな.
商売を自分でやってる人は,今,お金がおかしいことになってるのが感覚的にすぐ分かると思う.
弾力性が支配によってわざわざなくされている感じ.
財政のことばっかり神のように崇めて,金融はスケープゴートにされているけど,それも大間違い.
正解は「金融 >> 財政」です.
国家も物理的なものではなく情報.
お金は価値の流動性を高めるためのツールの一形態に過ぎない.
多くの日本人は教育で農地解放を知っているから地主という概念もわかっているけど,もっと昔は浜主だっていたし,戦後でも残っている地域もあった.
家主は多くいて,少なくない数が競争にさらされ,選択されるがわに身を置くことで,問題は大きくなりにくい.
それじゃ,金主は今どうなってるの?と考えれば問題は整理される.
本当は系を区切ってエントロピーの話までつなげたいところだけど,一般的なマネジメントについてはこの辺りまで言及することで事足りるんじゃないかな.
ということで今日はここまで.
続きは不定期・非公開・秘密だえもんセミナーで聞いてください.
|