金魚cafe

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アナザーフェイス2敗者の嘘

2012-09-25 16:59:13 | 読んだ本
先にアナザーフェイス3を読んでしまいまして、こちらを後回しにしてよかったのかなとちょっと心配しました。

堂場瞬一 文春文庫

捜査一課の刑事だった大友鉄が交通事故で妻を亡くし、男手ひとつで息子を育てるために、9時~5時で帰れる刑事総務課に移動しました。

自分自身はこれでいいのだと納得しているはずなのに、彼の周りの人々がそうはさせないのです。

まず、刑事部ナンバー3の福原、大友の同期の捜査一課の柴、そして亡くなった妻の母彼にとって義母に当たる聖子。

福原はリハビリと称して時々彼を現場に行くよう指示を出します。

嫌々現場に出る彼自身やはり現場にでると体が勝手に動いてしまうということは、彼自身も戻りたいと思っている。???

資産家の老夫婦が殺害され、現金を奪われ、放火されるという事件がおこり、被害者のキャッシュカードから現金をおろしている姿が写ったビデオからある容疑者が浮かびます。

前科もあり、かなりクロに近い人物ですが、取り調べ中に自殺してしまいます。

事件は被疑者死亡のまま送検されそうになりますが、一人の女性が自首してきます。

彼女は被疑者の幼馴染で弁護士なのですが、彼女が真犯人とは思えないのですが、犯人しか知らない事実をしってるため警察は彼女が何を考えているのが苦悩します。

彼女の取り調べに当たるのが大友になります。

彼は持ち前の演技力で彼女の内面を探ろうとしますが、なかなか話さない彼女。

やっと心を開きかけたときに彼女の身に危険が起こります。

なぜか事件は解決させるというより、うやむやにしてしまうという警察の思惑を感じる大友。

そもそも最初から間違っていたのではないかと事件を洗いなおそうとしますが。

刑事部ナンバー3が命令系列すっ飛ばして彼を捜査に入れたため、現場では彼は邪魔者になってしまいます。

大友鉄という人は、今野先生が書かれている、安積剛志と似てるところがあります。

納得できないことは上司であろうが言うべきことは言う。

事件関係者にきちんと向き合う。

そして自分にそんなに自信をもっていないというところ。

あと奥さんがいないというところです。(安積さんはバツイチ大友鉄は奥さんを事故で亡くした違いはありますが。)

警察小説では警察の常識は世間の非常識みたいなところを書きますが、ホントにそうなら何を信じればいいのと思ってしまいます。

事件解決しても傷ついたり、後悔しながらも刑事を続けていく大友鉄。

今後、このまま事務仕事を続けるのか、捜査一課に戻るのかそして今は意中のひとはいないようですが、優斗君のママ候補は現れるのか今後の展開が楽しみです。