金魚cafe

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ロング・グッドバイ

2014-08-25 22:56:25 | 読んだ本
レイモンド・チャンドラー著 村上春樹訳 早川書房

今年の春のドラマでNHKで放送された日本を舞台にしたロング・グッドバイが出演者、小道具、衣装にいたるまですご~く気合入ったドラマだなあと思ってい観ていました。

BARのカウンターでスーツをビシッと着こなした探偵が煙草を吸いながらお酒を飲むシーンがカッコよくてこれはオトナのためのドラマだわ~と。

法でもお金でも権力にも動かされず自分のルールで動く、かっこいいけれど関係者からみたらちょっと面倒くさい人間、これが探偵。

このフィリップ・マーロウが日本の探偵ドラマにすっごく影響を与えてるんですね~。

同時期に他局で放送されていたリバースエッジ大川端探偵事務所もその雰囲気はありました。

酒とたばこは必需品、いくらお金を積まれても、拳銃で脅かされても自分が気に入らなければ引き受けない。

なぜそんなに強いハートを持てるのか?

一人だから束縛がなくて自由だからなのかなあと。

ある事件で政財界の黒幕からプレッシャーかけられたり、警察から探偵の免許を取り上げるぞと脅されたりしても自分一人ならなんとかなるわけでマーロウは恐れてはいません。

失うものがないというのは逆にマーロウは相手にとってはやっかいな人ですね。

そんなマーロウが守りたかった、友人テリー。

2、3度一緒にお酒を飲んだだけで相手のこともよく知らない、テリーは飲んだくれてどうしようもない人なのにどこに惹かれたのか?

彼のためにマーロウはいろんな方面から責められて大変な目にあいます。

一緒にお酒を酌み交わしただけで相手のことがわかってしまうんでしょうか?

あまり飲めない私にはわからない世界です。

話の本筋とは外れているのですが、これが出版されたのが1953年、マーロウが借りている小さな一軒家には、TVもあり、電気冷蔵庫もあるのです。

その時の日本は一家に一台TVもないし、冷蔵庫もまだ電気じゃなくて氷で冷やしてる冷蔵庫がほとんどだったはずです。

やっぱりアメリカってすごかったんだ~~と感心しちゃいました。

訳者あとがきの村上春樹さんのこの作品に対する思いが40ページも使って書かれていてこんな長いあとがき読んだの初めてでした。