人生の階段ー日々の詩に託してー

ある老婆の日々ーー

清里回想

2017年10月23日 | 日記

昨日「立山回想」を書いたので

今日は「清里回想」・・・

これまた半世紀昔の話。

小海線・清里駅の周辺は

ただ一面の高原で

見渡す限り緑の斜面

そのかなたにぽつんと

清泉寮の赤い屋根が見えている

そんな風景で

人家はあたりにまったく見えなかった・・・

あまりの美しさについ下車して

高原を歩いて行くと

向こうから大きな草刈り鎌をかついだ

まるで

猛々しい神のような風貌の若者が

颯爽と降りてきたのでした。

私にとっての清里はこれです。

決してキャンディーの箱をひっくり返したような

ペンション全盛期の

駅に若い女性がきゃあきゃあと群れるような

清里ではありません。

そしてまた今は寂れて

竹下通りがそのまま廃墟になったような

哀れな姿の清里でもありません。

あの頃の清里はその名の通り

ほんとうに「清らかな」「里」だったのです。

私の清里は泣いています。

半世紀ーー

清里の上に流れた時間は

なんと無残であったことでしよう・・・