足元をみる

いつの頃からだろうか、つんちゃとの「かけひき」が日課となったのは。

何かを咥えてはケージに持って入り、
「取ったどーっ！」と知らせて、交換におやつを要求する。

ハウスに入るのは、そんな時とごはんの前だけ。
ごはんの時に「ハウス！」を教えた名残と思われる。
何も言わなくとも、ごはんの用意を始めたらさっさと入っていく習慣ができた。

たまにハウスで寝ていたりすると、
え？また何か持って入っている？と疑ってしまうほど、
普段は用無しの場所なのだ。

母の部屋以外は家中フリーなので、
気の向くままに好きな場所へ移動しているのだが、
毎日、食っちゃ寝と朝晩の散歩くらいじゃつまらないのだろう。
何か日課とするものを、と見つけたのが「アラブ商人ごっこ」
旅の本には、アラブ諸国での買い物は、相手の言う値段ですんなり購入することは、
反って相手をがっかりさせると書いてあったりする。
商取引を楽しむアラブ商人への礼儀ともいえる駆引きをしなさいということらしい。

で、つんちゃの場合、取引材料（盗み取った物）と交換品（おやつ）の交渉に
自分のシゴトの喜びを感じているのかもしれない。

今日の獲物は上物ではなかった。
分厚い本の入った手提げバック。
重くて運びにくい割には、重要性に欠ける。
足元を見て値切られるか、まったく交換に応じてもらえない場合もある。
ということを日々学習し、そのくせ、同じ失敗も多々繰り返すところが微笑ましい。

しかし、そこはアラブ商人（いや商犬か）、なかなかしたたかで、
こちらの反応もよく見ているのだ。
ちょっとでも焦りを見せると交渉は難航し、簡単には返却しない。
つまり足元を見ているのだ。

日に数回、アラブ商人ごっこが展開されることもあれば、
出かけたりして疲れてそれどころではなく眠りこけていることもある。
まだまだ商人根性が足りないようで・・・。


つん：これは重すぎたな・・。


つん：こっちは持ち運びに便利やけど、反応薄いな・・・。


つん：今日は商売あがったりや。


足元を見られるつんちゃ、足元を整えておく必要あり。
で、水泳で疲れて眠りこけていた日曜日にボーボーだった足裏をカットしてもらった。


つん：くすぐったいやんか。。。


つん：足元見るって、足裏見るわけちゃうやろ？