「4」という数字にどんなイメージをお持ちでしょうか?
プロ野球選手の背番号「4番」。たまにいるけど注目しません。
やっぱり、1番王、2番広岡、3番長嶋に馴染みがあります。
かっての、巨人軍の黄金時代の内野手です。
今の若人には何のことやら、遠い昔の事になりつつあります。
「4番」、ホテルや病院では欠番が常識です。
駐車場でもこの番号が飛ばされてました。
この世の中で、嫌われてしまってます。
何にも、他人に迷惑など掛けてないのに、可哀そうです。
文句も言わずに、じっと我慢し続けている姿勢に、ちょこっと脚光を当ててみました。
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我が家の居間は家内に占有されてます。
私は2階の6畳一間の書斎に押し込まれたまま。
台所だけは共有です。
でも、食事をするだけ。
家内が1時時間もかけた手料理を、たった10分以内で無言で終えてしまいます。
決して、夫婦喧嘩の際中ではありません。
「ご馳走様。美味しかったよ!」 忘れた事が無い。そしてそのまま2階へ。
時々、居間を訪れます。
テレビのニュース報道番組を見るためです。
「ニュースだったら、ラジオで聞いても同じだと思うよ。一日中同じことをくれ返しているよ。」
家内は予定が無い日は、朝から晩まで韓流ドラマに夢中。
溜まったビデオのドラマ観賞中、邪魔立てされたくないのです。
「そんなの、毎回同じパターンじゃないの? よく飽きもしないで続くね。」
「それが、違うんだね。他人には分からない事よ。」
「意地悪祖母さんが、美男子のお坊ちゃんに憧れて、どうするの?。もしかして痴呆症?」
「馬鹿言ってんじゃないの! ここは無限の可能性を秘めた空間なの。邪魔な雑音を吹き込まないで頂戴。」
「何処かで聞いた言葉だね、それって? 何だっけ?」
「フランスの建築家・ル・コルビュジュの無限成長美術館理論の事でしょう。」
「凄い記憶力だね。」
「一緒に、世界遺産登録の上野の国立西洋美術館に行ったでしょうに。」
「まだまだ、認知症の心配は無さそうだな?」
「馬鹿にしないで、それよりも自分の事心配して! 私に迷惑を掛けないようにしてね。」
一緒になって、半世紀後の姿です。
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世界有数の長寿国・私達が済んでいる日本です。
寿命が延びる一方で、介護が必要とする人が増え続けています。
日々適度な運動とバランスの取れた食事で健康を維持してます。
まだまだ介護保険の御厄介には程遠いです。
ある公表された調査によると、
間も無く、高齢者の4人に一人は認知症患者とのこと。
何となく、気になる「4」という数字です。
4人に一人の確率です。それが誰だか分かりません。
端から数えて4番目の人かもしてません。
何故か家内は、座席の端から数えて4番目は避けてます。
それだけではありません。それから次の4番目、つまり8番目も避けてます。
誰にも言ってません。私だけが知っている事です。
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その家内は、決して「4」の数字を嫌っているわけではありません。
とても、ユニークな発想者です。
そして、素敵な幸運を運んできた人でもあります。
それから、私もこの「4」という数字に愛着を持つようになりました。
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今から、半世紀前の事です。
高度経済成長期の真っただ中、誰もがマイホームの実現に夢を膨らましていました。
私達若い夫婦もその中の一組です。
共働きで頑張ってました。
勤務している会社は鉄道会社で沿線開発に力を注いでます。
社員のマイホーム施策を推奨してます。
宅地の分譲価額も鰻上りで、中々辿り着きません。
社員向け宅地分譲の応募に特典があります。
5回以上の応募には当選確率が倍になる仕組みです。
その権利を確保するための応募です。
その当時、分譲価格が大台1千万円に乗って、そして最も競争率の高い区画に申し込みました。
始めから、買える見込みはありません。だから期待もしてません。
「マイホーム用の分譲地、申し込み手続き終えましたか?」
家内から確認の電話が入りました。
「うん、申し込み手続きは終えたんだがね。受付番号が「4番」なんだ。」
その返答には、皆が忌み嫌うような事が含まれてます。
「何言ってるのよ、幸せを呼ぶ「4番」ではないですか。きっと幸運が舞い込んできますよ。」
それも、即答です。目の前が一瞬明るく、元気付けられた気持ちになりました。
未だに、その記憶は鮮明です。
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いよいよ、抽選です。もともと当てにしてませんから、その会場には出向いてません。
「どうだった?」
家内からの確認の追加の電話です。
「まだ、何にも言ってこないから、外れたんでしょう。」
「そんな訳、無いんだがなぁ?」
「そんな事言ったて、外れは外れだよ。諦めよ。」
「こんな幸運な番号って、めったに無い事よ。担当に確認して!」
その時、偶然にも他の電話で呼び出された。
「◎◎さん、厚生課から電話です。」
抽選当選のお知らせです。
切らずに置いた家内からの電話、
その先から、彼女の職場の仲間同士の「万歳三唱」の声が聞こえます。
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これって、本当の事です。
宝くじの一等賞に当たったようなものです。
あれから半世紀、我が家に微動だにしない基盤を築いてくれました。
「4番」は我が家の守護神で幸運の女神です。
勿論、「家内」=「4番」です。
1番から3番までは不要です。