「ご夫婦の成染めを教えてください」
職場での部下の結婚前の若い女性たちからの質問です。
「その話、美味しいケーキとコーヒー付きでないと、とても聞ける内容ではありませんよ。」
職場の忘年会旅行の宴会での会話です。
後日、「人と人とのご縁」について、情熱を込めて語った記憶があります。
それを真剣に聞いてくれた若い人たちがいたことも嬉しかった。
古希を迎え、結婚50周年、金婚式の年代です。
あの時依頼、「成染め」は封印されたままです。
決して、自慢できるものではありませんが、何故か不思議なご縁が秘められております。
敢えて、ブログのタイトルに掲げました。
あの時、若い人たちに情熱を込めて語った記憶を辿りながら、お披露目します。
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「私達夫婦の成染めは麻雀です。以上です。」
いきなり麻雀と言われても、何がどうなっているのか、さっぱり分からないでしょう。
「お二人とも麻雀仲間だったんですか?」
そんな質問を呼び込みます。
麻雀に明け暮れていたのが私です。
私は当時、会社の中枢機関に籍を置いておりました。
誰もが注目するセクションです。
仕事は出来る人に任せて置くことが一番と勝手に決め込み、
社内でその人脈を築くことが肝要と麻雀に明け暮れていました。
麻雀に誘われたら、決して断らない男として、社内中に知れわたりました。
ある日の事です。
役員室の女性の秘書から歌舞伎座のチケットを手渡されます。
伝言付きです。
「時には、麻雀を忘れて、これで芝居見物も良いのでは」
役員室の上司から有効期限寸前の歌舞伎座のチケットのプレゼントです。
安い給料では歌舞伎座の芝居見物など、程遠い存在です。
芝居と言ったら、田舎の学校の学芸会で「夕鶴」を演じた事ぐらい。
田舎の集落の娯楽は学校行事の学芸会が唯一の時代です。
その時、その芝居が大変好評だったことが、記憶に鮮明に残っております。
「どうだった?」と芝居の感想が伴う事、必須です。
上司からの業務命令と勝手に決め込み、歌舞伎座に出掛けました。
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遠い昔の事、当日の演目は忘れました。
芝居の幕間にロビーのソファーに座って休憩していました。
「ライターの火をお借りしたいんですが?」
中高年の御夫人が近づいて来ての、御依頼事項です。
「私は煙草をすいません。ライターを持ち合わせておりません」
そんな会話から、弾んで同席しての歌舞伎見物になりました。
「若い方なのに、歌舞伎に興味をお持ちですか?」
田舎の学校で学芸会での体験談を話題にしました。
意外な話題の展開で、芝居終了後に夕食をご馳走になりました。
ご一緒に歌舞伎見物を楽しむはずの御主人が急遽用事が出来てしまったようです。
何処の会社の役員さんたちも、予定通りの事が進まないようです。
食事を終えて帰路に付いたら同じ電車。そして、偶然にも降車駅も同じ。
それには、お互いに驚きました。大笑いしてお別れしました。
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数日後、この御夫人から会社の私宛に電話が入りました。
この御夫人は地域の活動家のようです。
鉄道線路と道路の境目にある柵が傾斜していて、
子供たちが、それに乗り遊ぶと倒れる危険性を察知しておられます。
最初、区役所の窓口に相談したが、それは警察署の管轄と言われる。
そして、警察署に赴いたら、それは鉄道会社だろうとの事です。
問題提起したのに、何処も積極的に取り組む姿勢に無い事に、お怒りの様子です。
たまたま、その鉄道会社に勤める方の名刺が手元にあることに気付き、電話をしたようです。
それも、どうしようどうしようと迷い続けた上での、終業間際の電話でした。
電話の申し出の内容が手に取るように分かります。
「あのな、○○駅の法地上の道路わきの柵が傾斜して、大変危険な状態にあるようだよ。早急に何とかして。」
電話のあった夜の麻雀店での仲間同士の会話です。
翌朝、会社の始業と同時に、あの御夫人からのお礼の電話です。
早朝散歩して見たら、既に修復されていたとの事です。
その素早い対応に驚いておられる様子です。
あの麻雀仲間の一人が、鉄道施設の保安管理の若き責任者です。
彼の配下の現場作業員は夜間作業のプロ集団です。
鉄道会社は安全が売り物です。
地域住民に不安を抱かせるような事は許されません。
電話を頂いたあの御夫人に、お礼を申し上げなければならない立場です。
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暫くして、あの件に関するお礼を込めての食事会にお招きされました。
その食事処には、あの御夫人とご主人、
それに御夫人の妹さん、そして若い綺麗な女性が同席しておりました。
御夫人が今までの経緯を事細かく説明を加えながらの食事会です。
初めてお会いする人ばかりなのに、以前からの知り合いのような趣です。
同席した若く綺麗な女性は妹さんが務める会社の人でした。
「もしよろしかったら、お付き合いしませんか?」
お見合いでした。
いろいろなご縁が重なり合って、結婚することになりました。
成染めは、人それぞれに固有のものがあります。
私の成染めはいろいろな偶然が折り重なって、
不思議なご縁が取り持ってくれたものです。
この御縁を大切に守り通して、今日に至ってます。
年を重ねて、今思うことは目に見えないが、縁結びの神様の存在が本当にあるような気がします。
Over the years, ithanked you, but those people are not in this world right now.
At the very least, i think that i thank the people who took care of me by treating my wife carefully.
somehow, my wife who does not feel it is sensitive.
i will have a golden wedding in a few years.
i hope to have that day healthy.