西向きのバルコニーから

私立カームラ博物館付属芸能芸術家研究所の日誌

「河童が覗いたニッポン」

2012年01月18日 18時46分00秒 | 妻が読んでいます
 妻が読んでいます その55。

 『河童が覗いたニッポン』

 妹尾河童 著

 新潮社







 表紙は、網走刑務所独房内部の図。

 広島の刑務所からは受刑者が脱走。また鹿児島の刑務所では、出入り業者が無断で内部の映像を撮影し公開されるという、今年に入って刑務所に関連するニュースが相次いだ。


 私が生まれ育った京都山科にも、刑務所がある。
 
 刑務所というと、周りが頑丈な高いコンクリート塀で囲まれていて、外部からは中の様子を窺い知ることが出来ないというのが、現在では常識となっている。
 しかし私が子供の頃には、塀の一部は内部が丸見えの金網製で、中のグラウンドでは受刑者たちによる運動会や野球の試合が行われていたりして、その様子が刑務所のすぐ脇の道路からも、手に取るように見ることが出来た。

 また刑務所から400メートルほど離れた場所に、刑務所所有の農地があって、そこで農作業をするべく、手に手に鍬やシャベル等の農機具を持った20人ほどの受刑者たちが、数人の刑務官とともに、我々一般人が普段利用している田舎道を、ゾロゾロと列を成して歩いていく光景も、日常よく見かけられた。
 そしてその農地というのが、私が通っていた中学校のすぐ隣にあって、校庭から野球やサッカーのボール等が、ブロック塀を越えて刑務所の農地へ飛んで入ってしまった際などは……。

中学生「すいませ~ん、ボール取ってくださ~い!」

刑務官「おい、取ってやれ!」

 そんなやり取りの後、受刑者にボールを投げ返してもらったりといったことが、しばしば、いや毎日のようにあった。

 そうして日々道で擦れ違う受刑者たちにはギロリと睨まれドキドキし、中学では受刑者に恐る恐るボールを取ってもらってまたギロリと睨まれドキドキしていた私だったが、その度その度、子供心に相当な恐怖心と戦っていたことを、あれから40年前後過ぎた今日でも、忘れることが出来ない。


 あの農地は、今現在、野球場もある大きな公園になっているらしい。

「FILT 54」

2011年12月25日 14時12分00秒 | 妻が読んでいます
 妻が読んでいます その54。

 『FILT 54』

 コネスール 発行

 マガジンハウス 編集







 JT系のフリーマガジン。
 「FILT」は「filter」の略語らしい。

 妻はあまりお金のかからない楽しみ方を、たくさん知っています。


 それにしても、無料にしては紙質の良いこと!

「折れない心の作り方」

2011年12月22日 11時05分00秒 | 妻が読んでいます
 妻が読んでいます その53。

 『折れない心の作り方』

 齋藤孝 著

 文藝春秋







 妻が働いていた甘味処が、10月いっぱいで店を閉めてしまったので、新たに就活をして、先月下旬からテレフォンアポインターの仕事に就いていたが、こちらの仕事とはどうも相性が良くなかったらしく、試用期間中に労使双方からNGサインが出て、また次の仕事を探し始めている。

 昨日も、ある外食店の面接を受けにいっていた妻……。

 こんな本を読んでいるから、本当に心が折れそうになっているのかとちょっと心配していたのだが、どうやら無駄な心配であったらしい。
 やはり妻は、身も心も、なかなか図太い。


 心が折れそうなのは、私の方かもしれない。

「ためしてガッテン レシピ集3」

2011年12月15日 10時03分00秒 | 妻が読んでいます
 妻が読んでいます その52。

 『ためしてガッテン レシピ集 3<裏ワザでこんなにおいしい定番メニュー>』

 NHK科学番組部 著

 アスキー








 NHKのテレビ番組「ためしてガッテン」で紹介された料理のレシピ本。この第3巻では<裏技でこんなにおいしい定番メニュー>と題し、料理の裏ワザを特集している。

 そう言えば、つい先日深夜の再放送で見た同番組では、トマトケチャップを和食のダシとして活用する方法が紹介されていたので、早速カップ麺に少量のトマトケチャップを加えて試してみたところ、なるほど随分美味しくなったような気がした。
 友人にこれを話すと、一応に皆懐疑的な顔をするのだが、案外驚くほど画期的とも言える研究結果を、色々と教えてくれる「ためしてガッテン 」である。


 その「ためしてガッテン」昨日の放送では、私のような過敏性腸症候群による、慢性的な下痢の対処法について解説していた。

 これまでその原因とされてきたストレスに加えて、胃腸薬や高血圧を抑える薬や鎮痛剤の併用、また小腸に異常繁殖した腸内細菌が原因として挙げられ、特に腸内細菌に対しては、腹八分目や空腹時間の8時間以上の確保を提唱していた。

 このところ妻のパートシフトのお陰もあって、食事と食事の間が長くなり、腹の虫をグーグーいわせていることが多くなった私であったが、実を言うと、その分比較的腹の調子も良くなっていて、下痢も少なくなってきてはいた。


 知らず知らず、腹の調子に効果的な食生活を実行出来ていたようである。




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「味つけはしょうゆ、砂糖、塩だけ!」

2011年11月30日 02時04分00秒 | 妻が読んでいます
 家計が厳しい時の、私達夫婦の会話。

「なんかつまむもんない?」

「ないです。鼻でもつまんどいて下さい」

「なんか甘いもんない?」

「ないです。砂糖ねぶっときますか?」


 そして……、妻が図書館で借りてきたのがこの本! 



 妻が読んでいます その51。

 『味つけはしょうゆ、砂糖、塩だけ!』

 山田冨起子 著

 樋口秀子 調理

 講談社




 一瞬ではあったが、明日からのおかずは、食卓に白飯と醤油と砂糖と塩が並ぶだけになるのかと、思ってしまった……。


 私の発想が貧困なのではない。
 私が貧困な発想をしたまでのことである。

 
 家計的には決して豊かではないが、想像力だけは豊か……、なのである!



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「平成二十四年壽暦」

2011年11月26日 18時19分00秒 | 妻が読んでいます
 妻が読んでいます その50。

 『2012 平成二十四年壽曆』

 高島易断所本部 編纂

 産経新聞社







 今日、新聞の集金員さんから貰った。この時期の風物詩とも言えよう。
 今年も、あとひと月余り。

 来年の私「四緑木星」は「躍動運」。良い年にしたい!


 何度写真を撮っても、ハレーションを起こしてしまう。
 まあ、光り輝く新年が待っているのだろう……、ということにしておこう。



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「放浪の家政婦さん」「ピリ辛の家政婦さん」

2011年11月10日 16時07分00秒 | 妻が読んでいます
 妻が読んでいます その48&49。

 『放浪の家政婦さん』

 『ピリ辛の家政婦さん』

 小池田マヤ 著

 祥伝社



 テレビドラマ『家政婦のミタ』の視聴率が、昨日20%を超えたのだとか。

 この本の著者、小池田氏も「家政婦ブームがくれば……」なんて呟いていらっしゃるとか。


 とかとか……。



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「村上レシピ」

2011年11月01日 07時29分00秒 | 妻が読んでいます
 妻が読んでいます その47。

 『村上レシピ』

 岡本一南 著

 飛鳥新社




 数ケ月前のある朝、ホットケーキを食べていると、妻が何かを思い出したかのように言った。

 「村上春樹の小説に、ホットケーキのコーラがけっていうのが出てくる作品があるんやで」

 ホンマかいなと早速ネットで調べてみると、それは『風の歌を聴け』という作品。
 昔、大森一樹監督で映画化もされていて、私も確か20数年前にテレビで観たことがあったはずだが、あまり内容を憶えていなかった。更に調べると、映画の中でもコーラをかけたホットケーキが登場していたらしい。

 そこで、記憶にないのを反省する意味も込めてレシピ本も購入して、実際にやって食べてみた。







 コーラというトローリ感のない、薄くてシャブシャブで、ちょっぴり酸味のあるシロップをヒタヒタになるまでかける感じの食べ方で、ケーキとコーラという甘い物同士が合っているようないないような……。まあ決して不味い物ではないが、だからといって格別に美味い物でもないと思った。ちなみに妻の口には合わなかったようである。
 しかし私のように猫舌でホットが苦手な人には、まあまあオススメ出来る代物かもしれない。

 そう言えば……、小説の中でこれを好物としているのは「鼠(ねずみ)」という男。猫舌の人が好むような食べ物を、鼠が好物っていうのも、何か面白い。


 余談ながら、私も妻も、子年生まれである。



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「TOWNWORK」

2011年10月31日 20時58分00秒 | 妻が読んでいます
 妻が読んでいます その46。

 『TOWNWORK』

 リクルート







 妻が、職を失った。
 アルバイトしていた某甘味処が、今月いっぱいで閉店したのだ。それも店側からその話を言い渡されたのは、ほぼ1ヶ月前。突然のことであった。


 読書好きの妻は、フリーペーパーもやはり普段からよく貰ってきて読んでいる。求人関係のフリーペーパーも、物によっては読み物のページがあったりして、なかなか面白いらしいし、本来の求人広告自体も、様々な会社企業や店舗等の求人状況から、世の中の動向の一端を窺い知ることが出来るようで、いつも興味深く読んで、情報収集している。

 が、しかし……、今はそれどころではない。本気で真剣に求人誌と向い合い、新たな仕事を探している毎日である。

 私が役者をしていると聞くと、世間では「旦那はガッポリ儲けてはんのに奥さんは遊ぶ金欲しいてバイトしてはんのか?」と誤解を受けることも多いが、とんでもない!
 我が家の家計を支えているのは、誰あろう妻です!


 はてさて、妻の……、私達夫婦の……、前途は如何に!?



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「よりよき医療コミュニケーションを求めて」

2011年10月27日 16時14分00秒 | 妻が読んでいます
 妻が読んでいます その45。

 『よりよき医療コミュニケーションを求めて~模擬患者を通して見えてきたもの~』

 前田純子 著

 ライフサイエンス出版







 私は役者仲間の紹介で去年から、そして妻は今年から、京都大学医学部にある医学教育推進センターで、模擬患者のボランティアをしている。

 模擬患者とは、医学部の授業の一環として、学生や教職員以外の一般人を患者やその家族と想定して、実際に学生さんたちと一対一で模擬問診を行う人のことを意味し、略称SP(Simulated Patient)とも呼ばれている。 
 そして私達も、その都度予め与えられた台本を基に、患者やその家族を演じて、学生さんたちと問答している。

 普段はそういった授業に参加している私達であるが、先日はゲストとして、日本初のSPで既に25年のキャリアを持たれるという前田純子氏(「NPO法人響き合いネットワーク・岡山SP研究会」代表)を招き、お話を聴いた。

 その前田氏が、今年出版されたのがこの本。


 今更ながら、改めて「著者略歴」を読んで気付いたのだが、実は私と同じ大学のご出身。ひょっとしたら、学科は違えど同期生かもしれない。



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