久慈川が太平洋に注ぎ込む1.5kmほど上流にJR常磐線の鉄橋が架かっています。堤防間は400m程あり、橋脚が70m間隔で5本有ります。壁相当部分のみでなく、天井相当部分にもトラス構造が見られ、結構複雑な構造です。
近くに住む私の尺八の友人からも、「あの鉄橋にタカの巣が有ることは、この辺では有名だよ」と聞かされてはいたのですが、いざ見てみると、確かに一番高い部分の角々に、巣材が積んであります。まるで団地です。
営巣期の観察で、堤防から離れた真ん中の3本の橋脚の上部に営巣していて、右岸から2本目と4本目にチョウゲンボウ、間の3本目にはカラスが営巣していました。巣の外見は、カラスのそれが大小さまざまの巣材を使っていかにも大きく粗雑に出来ているのに比べ、チョウゲンボウのは、はるかに丁寧に仕上げられている感じでした。
また驚いたことに、最上部の桁材の継ぎ目が、ちょうど橋脚の上に設置されており、そこはムクドリが立ったまま出入りできる隙間があり、奥行きも相当に有るようで、何家族かが集団で一箇所に営巣しているようでした。ある時、カラスが巣を襲おうとして接近しましたが、体が大きいのでとても侵入できず、入り口で悔しそうにしているのを観察したことがあります。一方、チョウゲンボウはムクドリを捕食するという人もおりますが、そうするとここのチョウゲンボウはコンビ二の隣に住んでるようなもので、餌に不自由しないことになりますから、逆にに考えると、滅多にムクドリを捕食しないのでしょう。
数年前どこかで、「猛禽の争いは、同種間が最も激しい」と目にしたことがあります。この年も、最初に2本目の橋脚に一番いのチョウゲンボウが営巣を始めてから一ヶ月も経ってから、次の番いが現れたときのこと、激しい空中戦が始まりました。
その撮影の途中で、チョウゲンボウは何かというと、翼角部分が飛び出して、まるで始祖鳥のような印象を受けました。
この時は結局後から来た番いは4番目の橋脚に営巣し、間の3番目はカラスということに落ち着きました。
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