M君が訴えた不安
M君もまた不安を抱いていました。
アタッカーが事実上自分ひとりになってしまうというものです。
アタッカーが1人しかいないというのは、厳しいマークに合って打てなくなるということを意味します。
事実、鹿児島との練習試合や九州大会においても、しっかりと相手ブロックにマークされた場合、M君と言えども点数が取れなくなってしまう状況が生じていました。
「きびしいですね~」
「Fさんをレフトオープンに変えますか。それとも、磯野さんが打ちますか・・・」
Mが相談します。さらに、自分の抱く不安も打ち明けました。
「自分は、センター攻撃してて、打点にも自身あってブロックが来ても、そのブロックを交わして、左右に打ち分けコートに突き刺さるような角度のあるスパイクを打つ自信がありました。
だけど、鹿児島との練習試合でも、九州大会の準決勝でも3~4枚のブロックが来て、打ち抜くコースがなくなってしまったのです。で、ブロックで受けられて、二段トスで切り返されるというパターンで、チームは負けたと思うのです。
時間差等をからめてどこかに打つコースが空くようにしてもらうといい感じがするのですが、今のままでは難しいかと思うのです。それに、F君がレフトオープンに回るというのでは、今のライト打ちさえまともにできないのに、今からポジション変えたらますます混乱するでしょ。磯野さんがオープンに回ったらクイックのトスを上げる者がいません。Iをセッターにしたら、レシーバーの数が足りないと思うのです。」
真面目なM君は、一生懸命チームの抱える問題点を指摘しました。
九州大会時のフォーメーション
6月のポジションは下記のような感じでした。
オレンジ色のシャツの選手はチームのリーダーとなるべきプレーヤーの私とM君、中衛センターを守るKさんの3人です。
青シャツで表示したF君は前衛レフトでAクイックとBクイックだけ打っていたのです。
緑シャツのG君とW君は両サイドオープン。この2人が全国に出場できません。
このフォーメーションから、G、F、Wの3人は下図のとおり、1種類のスパイクのみ打ち、M君があちこち動き回ってクイックやセミを打っていたのです。
ここから、WとGが抜けることで、M君にブロックがより集中し、アタックが通用しないだろうという不安をM君は抱いているわけなのです。
M君の訴える不安を聞いた上で、私の持っている案をMに示すことにしたのです。
まず、なんといってもM君に「これなら、行ける」という気持ちを抱いてもらわないことにはチームの選手の士気は上がりません。
しかし、Mが元気になれば、選手全員が元気づき、このプロジェクトは半分くらいは成功したようなものだからです。
大会1か月前、こうして私は宮崎チームに採用したいという戦術をMに示しました。
(明日につづく)
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