はじめに
Bクイックのスパイクは、オープンスパイクに比べてジャンプのタイミングが取りやすく、ジャンプ位置もほぼ同じ場所でいいから、素人選手にとっては打ちやすい面があるということは昨日までにお話したとおりです。
今日は、その他の利点や問題点及び解決方法についてお話しします。
腕をあまり振らないからミートがよい
このBクイックは、腕をあまり振りません。ジャンプした瞬間に右手を頭上に構え、肘から先、あるいは手首から先だけの力で、トスアップされ自分の方向に飛んで来るボールを叩くだけで、腕を大きく振る動作はありません。
ですからミートがいいのですね。
初心者であっても、比較的簡単にボールをミートすることができるのです。
トスが横に走る分だけスパイクの威力が増す。
腕を振らずに叩くから、威力がないのではないかという声があります。
確かに腕を思い切って振って打つオープンスパイクに比べると、やや劣るかもしれませんが、動画で御紹介したとおり、相手チームのレシーバーがレシーブミスするくらいの威力あるスパイクを打つことは可能なのです。
F君には、ダイレクトスパイクの延長でセッターに向かって走り込むような助走をさせましたので、彼にとっては、正面(やや右)から自分に向かって突き出されたトスをほぼまっすぐに打ち返すという感じになります。
この方法だと、スナップだけで結構しっかりしたスパイクが打てるものなのです。
問題と対応策
アタッカーが簡単な代わりにセッターが少し大変そうに見えます・・・
初心者のアタッカーとしてはタイミングが取りやすい、高速のBクイックですが、トスを見てアタッカーがジャンプを調整するというタイプのスパイクではありません。
ジャンプした後、アタッカーがトスを見てジャンプ位置を調整することなどできないのです。
そこで、この高速Bクイックを成功させるには、セッターが正確なトスを上げられるように練習しなければなりません。
トスの高さ、ネットからの離れ具合、スピードですね。
で、これをピンポイントで持って行かないとスパイクできないのでは・・・・という不安がよぎる方も少なくないと思います。
その辺の考え方についてお話しします。
必要なのはアタッカーの打点とセッターの思い切り
高速Bを行うこととなったとき、トスは私が上げることにしました。
私は、まあ、転勤の先々でチームに加入した際、空いているポジションを任されるので、セッターをしたこともあるにはありますが、そう、本格的にセッターをしたというほどのものでもありません。
ピンポイントのトス等は他人には要求しても、自分が行うとなると、難しいのです。
そこで、少々トスが乱れても、Bクイックを成功させるべく、長身の選手で腕も長い選手をアタッカーにしたのです。
以前チーム立ち上げの時の記事、第一回目の練習をした(4月24日日曜日)で最高到達点の高さを選手に競わせたお話をしましたが、その時インターハイ出場のバレー選手M君に次ぐ2位の高さを記録したのがヤリ投げのアスリート、F君だったのです。
この選手は、素人選手ですからパス等も一から教えないといけませんが、この打点は強力な武器ですし、スパイク練習もあまりあれこれ教えて、遅めのトスに慣れた後にクイックを教えるより、まっさらの状態からクイックを指導したほうがよいので、2回目の練習からクイックの指導を行いました。
私たちの大会のネットは一般男子よりちょっと低い2m30cmですから、Bクイックのトスは高さにして、70cmくらいの誤差が出てもF君なら触ってくれるだろうということになりました。
その上で、彼にはトスがネットより下に来た場合でもそのボールを相手コートにねじ込む練習を施したのです。
F君がこれだけの打点を持っている上に、ネット下のボールでもねじ込む等、少々乱れたトスにもどうにかして触ろうという意識でプレーしてくれることで、セッターを務める私の負担は大きく軽減されたのです。
その結果、セッターの私としては、トスアップの瞬間はF君がジャンプしている場所を見て、およそその付近に、とにかく速いトスをスッと持って行けばいいのです。
正確さよりもスピードという感じでトスを持って行けるようになりました。
初心者のアタッカーであっても、ここまで貢献してくれたのです。
かくして、このアタッカーの打点と意識のおかげで、セッターとしては思い切って速いBのトスを上げることができるようになりました。
強気の攻めに対する考え方
試合の立ち上がりに、どう攻めるかという考えかたは、チームの力やメンタル面を考慮して様々あると思います。
そんな中、私がこの宮崎のチームに推奨した戦い方というのは、セットの立ち上がりにできるだけ強気の攻めをするというものでした。
例えば、パスがセッターの位置まで戻らなくても、強引にクイックのトスを持って行きます。
その理由は、このクイックがうまく決まれば相手チームのブロッカーは、次からパスがセッターのいる場所まで戻らなくても、クイックをマークしなければなるからなんです。
もちろん、ミスした場合のことも考えています。
ただ、立ち上がりにミスッても、決定的な失点とはなりません。
むしろ、強引な攻撃をする姿勢を見せておけば、相手チームは次から警戒してきます。立ち上がりの1回、仮にミスをしたとしても、相手チームはその攻撃が成功した場合を想定して警戒してくるものなのです。
そういう意味で、強気な攻めは見せておく意味があるのです。
本日、ここまでです。次の記事では、この初心者チームにおける、基本的な戦術についてお話します。
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宮崎県出身の転勤族です。鹿児島県、熊本県、沖縄県、高知県等を転々としながら、今年宮崎県に戻ってまいりましたが、宮崎県をはじめ各地で見聞きしたバレーボールの戦術や練習方法等を紹介しています。
カラーシャツ(白シャツ、青シャツ、赤シャツ等色違いのシャツ)の棒人間の図面や動画で分かりやすく説明することを心がけています。
いいスパイクを打ちたい、いいサーブを打ちたい、ブロック上達したい、レシーブ上達したい、とにかくバレーボールで上達したいという方のために、色々な情報交換の場にしたいのです。
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