はじめに
読者のwinさんから次のような質問が寄せられたので、これについて少し考えてみたいと思います。
winさんの質問
はじめまして。最近こちらのブログを知ってから、毎回食い入るように見ているママさんバレーボーラーです。
いつも実践的なお話をありがとうございます。
さて、ブロックについて、トスがネットから離れて、ボールの軌道が幅広くなる場合のタイミングや位置取りに迷います。
また、ジャンプしないで上から打ってくる球をブロックすべきかどうか悩んで、チャンスボールにしようと見送るとネットすれすれで、ブロックしておけば良かったと後悔することもしばしば。
助言いただけると嬉しいです。
この状態が生じる場合
コメントありがとうございます。
ブロッカーとアタッカーの力関係で、Winさんが言われるような状況が生じることがあるのですね。
例えば、下図のように白シャツのブロックの上を越えてスパイクできるような打点のあるレフトオープン(ピンクシャツ)がいたとします。そして、ネット近くのトスだとブロックの上を越していく足長のスパイクを打ってきます。
その場合のスパイクが決まるコースというのは、下図の青ラインより後ろのゾーンとなります。
さて、ここでですね、下図のようにネットから離れたトスが上がったとします。
ちょっと図が小さいですが、ピンクシャツののアタッカーの後ろに赤シャツのアタッカーがいますね。
あの赤シャツの位置からのスパイクがどのようなコースに飛んで来るかというのを考えてみます。
まあ、下図のようにブロックの上を越すようなスパイクを打って来るということになれば、守備側としてはその分時間に余裕があるスパイクレシーブをすればよいということになります。
ところが、今度は赤シャツの状態からのスパイクですと、下図の●→●のとおり、ブロックの横を抜いた鋭角なスパイクを打つことがあります。
でストレート側だと赤シャツの選手から見たネットの位置は白シャツのブロッカーの前に位置している黒で表示した垂線となるのですが、3枚ブロックのクロス側を抜くとした場合の赤シャツアタッカーとネットの位置関係は、ちょうど白シャツブロッカーの背後にある赤線の垂線の位置になります。(この位置関係の違いは分かりますよね。クロス方向だと、ストレート方向よりボールがネットを超える箇所がアタッカーから見てより遠くになるということを言いたい訳です。)
で、この状態でスパイクが打たれた時、そのボールがどの辺に落ちるかというのを表示したのが下図なんです。
今度は黄色線より後ろのゾーンにスパイクのボールが来るということになるわけですが、注意すべきは、もしこのように打点の高いアタッカーに対して、ネットから離れているトスだということでブロックに行かないでいますと、緑のゾーンにもスパイクが来るということになります。
つまり、ネット近くのトスの場合よりもスパイクを打たれる範囲が広がってしまうのですね。
対応方法
このように打点の高い選手に対してはネットから離れたトスについてもブロックを付け、ストレート側はシャットアウトする姿勢を見せてスパイクのコースをクロスに誘った上で、オレンジのゾーンに中衛センターや後衛レフトの選手を配置して強打をレシーブさせるのです。
ブロックジャンプのタイミングは、もちろんネット際の場合よりちょっと遅めにしますが、どのくらいかと言いますと、ママさん選手の平均的なスパイク(時速40kmくらい)を打って来る場合は、スタンディングで35cmくらいジャンプできるブロッカーなら、スパイクの瞬間にブロッカーも足が床から離れて行くというタイミングでジャンプしていくと、ドンピシャということになります。自分たちのジャンプ力と相手の打点及びスパイクのスピードを見ながら後を調整していくこととなります。
また、全員がブロックを揃えるべく「せ~の、ハイ!」と声を掛けつつブロックのタイミングを合わせるという動作も忘れてはいけません。
以上です。
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宮崎県出身の転勤族です。鹿児島県、熊本県、沖縄県、高知県等を転々としながら、今年宮崎県に戻ってまいりましたが、宮崎県をはじめ各地で見聞きしたバレーボールの戦術や練習方法等を紹介しています。
カラーシャツ(白シャツ、青シャツ、赤シャツ等色違いのシャツ)の棒人間の図面や動画で分かりやすく説明することを心がけています。
いいスパイクを打ちたい、いいサーブを打ちたい、ブロック上達したい、レシーブ上達したい、とにかくバレーボールで上達したいという方のために、色々な情報交換の場にしたいのです。
柔道選手が柔道着をバレーボールのユニフォームに着替えて活躍した事例等、上達したいという皆さんの期待に沿う記事をアップします。
その他ときどき、宮崎県と鹿児島県の県境に位置するリゾート地、霧島周辺の温泉や観光の話も・・・入れております。
ありがとうございました。
基本はブロックしてレシーブ範囲を狭めるということが理解できましたので、これからは離れたトスにも自信をもってブロックしていきます。
タイミングも、アタックの瞬間にジャンプするということを意識してやってみます。
今までは、なんとなくカンで飛んでいましたが、このカンが全然あてにならにしろもので・・・
以前教えていただいた、アンテナ外側からのアタックはアンテナに寄ってブロックというのも、実践しています。
確信を持ってとぶと、成功したときでも失敗したときでも、その原因がわかって調整しやすくなるようです。迷いつつ飛んでいたときは、成功してもまぐれのようで、何でうまくいったのか、逆に何で失敗したのか、よくわかっていませんでした。
これからも勉強させていただきます。
よろしくお願いします。
それで、ネットから離れたスパイクに対してのブロックですが、この記事の場合というのは、打点が高く、ネットから離れた位置からだと返って強烈なスパイクを決められるという場合に通用する話ということで理解しておいてくださいね。
仮に相手がネットから離れた位置からスパイクして来る場合であってもですね、その打点が低かったり、強打は打てないタイプだったりする時は、ブロッカーも中衛ラインに下がって、ちょうど、サーブカットをする時のようなフォーメーションでレシーブしたほうがいい場合もあります。
いずれにしても中途半端にせず、きちっとブロックするのか、チャンスボールとして下がるのかの対応を明確にしていくことが、チームとしてのレシーブ成功率を上げることとなりますので、その点よろしくお願いします。
winさんが言われるように確信持って行くことが大事です。頑張ってください。
チャンスボールのときは、
「サーブカットをする時のようなフォーメーションでレシーブ」と聞いて、とてもイメージが湧きました。