ウラ技・バレーボール技術・戦術研究会

実際に使って来た9人制バレーボールの技術・戦術のウラ技。ママさんバレー、一般のクラブチームではかなり通用しますよ。

コーチの提案(クロスを止めて、ストレートにフェイントさせる。)

2010年12月17日 11時36分40秒 | ブロック

はじめに
指導を受け持つこととなった鹿児島のチームは、指導開始から3週間目の練習試合でボロ負けしてしまいました。
そこで、いくつかの対策を立てて、練習に取り組もうということになったのです。
そのひとつである、相手チームの前衛ライトの選手への対応策について、色々と選手に説明し、具体的な練習に取り組んでいたところ、そんな中、コーチが一つの提案をしてきました。

コーチの提案
「相手の前衛ライトの選手は、アタックする時、ブロックを見てそこからコースを打ち抜いてくる。スパイクのコースは体の向いている方向ないし体の向きより左側に対しては強打を打つが、体の向きよりも右側方向についてはフェイントする場合が多い。したがって、クロス側にブロックに付き、ストレート側にフェイントをさせ、それを拾うってのはどうでしょう・・・」
と言うのですね。

で、詳しく話を聞いてみますと、コーチの言い分は次のようなものでした。

下図を見て下さい。

相手の前衛ライトの選手はクロス方向に向いて走り込んできたら、
ノーマークだと黄色い方向に強打
ブロックが来れば、さらにひねってピンク方向に強打
クロス方向にブロックが来れば、ブルー方向にフェイント
をするというのですね。

さらにストレート方向を向いて走り込んだ時は下図のとおり、強打(黄色及びピンクのスペース)の幅はさらに広がるが、体の向きより右側(ブルーのスペース)にはフェイントしか来ない
と言うのです。
要するに、体の向きと逆方向となる右側への強打は打てない・・・というのですね。

私は練習試合中はもちろん、ビデオを見ても気付かなかったのですが、コーチは以前からその選手を知っていて他のブロックの高いチームとの試合の時に見せる、その選手の癖などもよく把握していたのですね。

 この提案は、とても意味のあるものでした。

前衛ライトのスパイク対策
そこで、コーチの意見を採用し、相手チームの前衛ライトの攻撃に対して次のように守ることにしたのです。

下図を見て下さい。
相手チームのレシーバーがセッターにボールを返球する時は、ブロック陣は白シャツの(○で表示)の位置に4、1、2、3、6という具合に構えます。
レシーブ陣はバック両サイドが中衛ラインまで上がって、エンドラインはバックセンター一人で守備する隊形で待つのですね。

相手の前衛ライトは「三」で表示しておりますが、この選手をマークする当方の選手は「1(前衛レフト)」の選手です。
で、相手の前衛レフトである「一」の選手をマークするのは「2(セッター)」の選手です。
で、3(前衛ライト)の選手は相手のレフトオープンにブロックに行くわけですが、その前に、時間差のセミ等が来たら、センターでブロック参加するのですね。

この方法を次のように変更したのです。

まず、ブロックの分担ですが、
当方のセッター(2番)のブロック
セッターの選手には通過点ブロックを行わせることとしたので、相手がトスアップするまでジャンプせず、トスを見てからAクイックかライト側のセミにブロックに行かせることとしました。で、マークの度合いはAクイック30%、ライトセミ70%くらいの感じでマークさせますが、ラリーが2~3回続いた時は、かなりの確率でライトセミが来るので、そちらをマークする。

当方の前衛ライト(3番)のブロック
セッターの動きをよく観察し、トスアップぎりぎりまで待ってAクイックもマークする。そこからレフトオープンまでブロックに走る。
2~3本ラリーが続いたら相手の前衛ライトが打つ確率が高くなってくるのでセッターの動きをよく見て、相手前衛ライトのセミが来ることも頭に残しておく、前衛ライトにトスが上がったら遅れてもブロックに行く。

レシーバーのプレー
相手チームのバックセミのトスが上がったら、4番(中衛レフト)と7番(バックレフト)は付近にレシーブを張り、フェイントを拾う。
5番(中衛センター)はの付近で相手の動きを見て自由にポジション取りしながら、守備する。
8番(バックセンター)及び9番(バックライト)は付近で守りワンタッチを拾いに行く。
6番(中衛ライト)ネットから少し離れたの位置付近で、超クロスに対して体をぶつけるくらいの感覚でレシーブする。

相手前衛ライト対策成功の秘訣
一応、チームとしての対策は決めました。後は、それを基本にして、選手一人一人がどこまで、集中して相手のプレーを見抜き、対応できるかっていう話なのですね。
これを、支えるのは、何としても前衛ライトに仕事をさせないように持っていくという、一人一人の気迫なんですね。
選手には気迫を持って、果敢に挑戦する気持ちの大切さを訴えました。

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4 コメント

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Unknown (せれまま。)
2010-12-17 17:21:55
相手の癖を見るのも大事ですよね!特に経験者の方は、試合になると(特に競ると)もろにでますよね!
そこに強力なブロックが決めれると、メンタル的にも影響がでますので、そこを落としにいくという感じで点数を上げていき、勝利するという形^^
このブロックになおかつ前衛全体の、フォロー(ブロック直後の)が加われば、最高ですね。
うちのチームは、バックライトをあげず、中センとセミ位置がつねに動き、ブロックもフォローもつきにいきます!!
バックライトを1度あげてみたのですが、中センのフォローが体向きにより、飛んでいく確立が高くなるので、バックライトはつ突っこみフォローもしますが、中センが難しい玉の時だけと、パターンを決めてチームにより変えております。
バックセンも動きやすく、相手チームから見た時に、角を狙われたりする確立も視覚的に少なくなるので^^
返信する
ほんとに、そのとおりですね。 (磯野)
2010-12-17 18:48:02
なるほどですね。
前衛の選手はブロックしない場合や、着地した後、ブロックのフォローにもいくのですね。チーム内でそういう約束をきちっとして効率よく対応されているのですね。
結局、そのように、選手が休みなく次から次にプレーする状況ができるシステムがいいのですよね。

実は、私もこのフォーメーションを採用しつつ、相手チームがこのフォーメーションを使うときは、足長のAクイックを打たせているのです。ガラ空きのコーナー狙ってですね。

じゃ、自分たちはなぜ、こんなフォーメーションを・・・となるのですが、前衛両サイドが初心者で、ネット際のプレーにも慣れておらず、この選手に拾わせると慌てて、チャンスボールがチャンスボールにならないのです。
高さだけで勝負できるって選手で、しっかりと局面局面でのプレーが理解できていないという状況だった・・・っていう事情もあったのですね。

バックと、中衛センターの負担は大きいのですが、チーム事情で今はやむをえないってことだったのです。
返信する
Unknown (せれまま。)
2010-12-17 21:15:50
なるほど!!!すごく納得です。このやり方も、私たちのやり方も本当に、中センが負担が大きいのですが、ベテランや核の選手でおぎなわれてるとこが大きいです。
強いチームは、セミやセッターもすごいですが、中センの判断がするどいチームが上位にいるような気がして^^
エース位置のレフトにエースがいなくとも、奇策で乗り越えるという心いきが素敵です。
返信する
まったく同意見 (磯野)
2010-12-17 21:36:24
まず、センターライン(セッター、中衛センター、バックセンター)の選手はまず大事ですね。
で、その中でも中衛センターは、極めて大事。バレーをよく理解していて、洞察力に優れ、もちろんプレーもそつなくこなす。
で、性格ですね。落ち着いていて、周りに声かけて雰囲気を盛り上げるとか、チームの中心的な存在になりうる人を持って来るべきだと思います。プレーは練習すれば、伸びますけどね、洞察力とか、性格やチーム内での人間関係(上下関係)などは、なかなか変わりませんからね。
実は、この2カ月後中衛のセンターを交代させました。

正にせれママさんの言われるとおり、絶対的なエースがいないようなチームでは、速攻と言いましても、どうしても守備を固めないといけないし、うまい選手がたくさんプレーするようなフォーメーションにしたほうがよいのですね。
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