法律相談)私は韓国人です。日本に来て10年が経過しています。このたび在日韓国人から離婚を迫られました。私としては離婚したくありませんが、万が一のとき、離婚手続きに適用される法律は日本国の法律でしょうか。それとも韓国の法律でしょうか。
答)国際離婚の手続きについては、法例16条によってその根拠法が決められています。在日韓国人と韓国籍の方との離婚であれば、たとえ居住地が日本であっても、大韓民国の法律が適用されます。
1.どこの国の法律に従うか
国際離婚の場合、どこの国の法律に従うかは、法例16条が以下のとおり規定しています。
・離婚のときの夫婦の本国が同一の場合は、その本国法に従う。
・同一の本国法がない場合で、夫婦の常居所地法が同一であるときは、その法律に従う。
・そのいずれの法律もないときは、夫婦にもっとも密接な関係のある地の法律に従う。ただし、夫婦どちらか一方が日本に常居所地を持つ日本人なら日本の法律に従う。
この条文をご相談内容に照らしますと、夫と妻の双方が大韓民国の国籍であれば、夫婦の本国が同一の場合にあてはまりますので、大韓民国の家族法に従うことになります。
2.慰藉料や財産分与いついて
慰藉料や財産分与については、法例第11条があります。この法例第11条は行為地主義を採用しています。ここで行為地主義とは、慰藉料などが発生した場合、その発生原因となる不法行為が成立した場所を管轄する裁判所に裁判権があるという考え方を言います。
もっとも、離婚に伴う慰藉料や財産分与といった問題は、夫婦のさまざまな諸問題や感情抜きには解決が図りにくいものです。
そこで、個人の権利義務関係を規定した第11条ではなく、法例第16条を適用するとの考え方が実務では支配的になっています。
3.相手の住所が日本国ではない場合
外国人配偶者の住所が日本国にない場合であっても、相手が日本人配偶者を遺棄したり、行方不明立ったりした場合には、日本の裁判所での裁判が認められます。すなわち日本国籍の夫婦と同様の手続等が適用されます。
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