日本にすでに在留しており、所持する在留資格が技術人文知識国際業務である外国籍の成人と婚姻し、在留資格を日本人配偶者等へ変更申請するケースについて説明いたします。
1.就労ビザ(技術人文知識国際業務)から配偶者の在留資格への在留資格変更申請につき条件があるか?
この変更申請に特有な特段の条件というものはございません。変更申請を受理した出入国在留管理局審査官は、日本人配偶者等の在留資格を許可してよいかの点につき審査をいたします。
この在留資格変更の審査のポイントとしては、基本的には日本とイタリアでの結婚を証明する資料の添付は当然として、
・婚姻意思がある結婚かどうか?
・変更後の生活基盤が安定しているか?
の2点について審査いたします。
まず、婚姻意思がある結婚かどうか?についての審査ポイントです。
・相当期間交際しているか?
2~3か月ほどの交際があれば許可の可能性があります。ちなみに出会って1週間とか10日など婚姻への意思が形成できないと思われる短期間ですと、疑義が生じます。同居の有無は、同居していれば審査の加点対象となりますが、必須ではありません。
・不適切な出会いをしているかどうか?
悪質な仲介あっせん業者や友人、知人を名乗る個人の紹介で不適切な交際をあっせんする経歴のある者を介した出会いかどうかを審査するようです。この点、アプリで出会ったと伺っていますが、私は過去複数のご夫婦の申請にあたりアプリなどの出会いの方であっても許可をいただいていますので、この点についてはご安心ください。
・真摯な交際であるか?
この審査は、法律上定義されている婚姻意思の存否を判断します。この婚姻意思がないにもかかわらず婚姻届を届け出た場合にはいわゆる偽造結婚とされ、刑事罰の対象となりますから、そもそも結婚意思がないにもかかわらずあたかもあるかのように偽って婚姻したり、婚姻成立後、虚偽の説明を記載した資料を提出するのは許されない行為です。
この婚姻意思が存在することを踏まえ、出入国在留管理局に申請する資料を説明します。
まず、交際履歴の提出が必須です。これは、出会いから申請資料の提出にいたるまでの会話記録(lineやfacebookmessengerなどのSNSの会話のスクリーンショットを印刷したもの)や、二人で撮った写真などを提出します。
なお、配偶者とその親族(山田様のご両親様やご兄弟様、ご親族様など)の集合写真や結婚パーティーの写真は許可をいただくうえで大きな加点理由となります。
ついで、変更後の生活基盤が安定してるか?についてです。
基本的には生活するうえで必要十分な収入があるかどうかを審査するようですが、具体的には扶養者の在職証明(報酬体系記載)と直近年度の課税証明書、納税証明書の提出となります。貯蓄資産の写しも加点となります。
また、婚姻後の同居が必要となりますので、お二人で済む住居の権原を証明する資料を提出します。賃貸借物件であれば賃貸借契約書の写しと部屋の内外の写真、家財道具などの写真を数葉提出いたします。