ソプラノ和泉聰子の『おんがくのいずみ』~うたの心をあなたに~

ソプラノ歌手・ボイストレーナーの和泉聰子のブログ。HPは http://lulu-hikichan.jimdo.com

宮川彬良さんが語るオペラ「ブラックジャック」作曲工程

2018-06-09 01:38:12 | 講座・レッスン
昨日の夜は
OPERA ART ACADEMIA2018
第3回 作曲家という才能

宮川彬良さんを迎えて
『ブラックジャック』の一場面の
作曲工程や作曲家自身による楽曲分析などの
興味深いお話を伺いました。



まずは作品の映像をみて
ヴォーカルスコアを見ながら


なんでこの拍子なのか?

登場人物によって調性が違っているが
なぜその調性を選んだのか?

通常の言い回しとちがうフレーズの取り方で
キャラクターのどんな様子を表しているか?

などなどに対して腑に落ちる説明を
宮川さん自身のピアノ演奏と歌で
していただきました‼️


感激〜〜🌟🌟


何処を切り取っても
作曲家がその音、休符をつけた
明確な理由があり、
作曲家には演奏者の
歌い方や動きが見えています。


逆に演出が作曲家のイメージと
全く同じでなくても
きちんと楽譜を見て
その人なりに真剣に考えてくれれば
それでも納得するものだ、と。


作曲家も演出家も演奏者も、そして聴衆も
想像することが無性に楽しいのだ、
という言葉が心に残りました。


確かに、演奏に際して
どんな風に歌おう、
と決めるために

この歌詞をどういう風に語ろうか
リズムをどう活かそうか
音色はどうしようか
息遣いはどんなか

いろんなやりようがあるものを
自分なりに考えて組み立てることは
とても面白い作業です。


そして、宮川さんは
作曲するにあたって音楽理論の力を借りて、

通常の和声進行とそれをあえて破る和声の進行、
を場面のあらすじにあわせて選んでいるとも仰っていました。


和声進行もそれだけの意味を込めてつけられているのだから演奏者はもっと心して感じなければいけませんね。


それにしても
オペラの作曲って
台本から使う歌詞を定めるだけでも
膨大な時間がかかる事がわかりました。


ラフなスケッチの作曲
ヴォーカルスコアを整えて
オーケストラスコアを書いて。


凄い作業です。

『ブラックジャック』
まだ東京では演奏された事がないようです。
観てみたくなりました!

*********

会場は恵比寿ガーデンプレイスの近く。
催事で賑わっていました。




ジョエルロブション。ひところは毎週ブライダル演奏に来ていたっけ。







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