日々徒然です

カフェにようこそ!

若い常務

2013-05-03 01:47:34 | 小説
いつもカフェオレを頼むお客様・・・。今日もやっぱり頼んでる。

ここの店員として働いて1年が過ぎた。ここのカフェオレは良い。心が温まる。僕も好き!

あの人は、どこかの役員みたいなんだ。いつも、男の人が探しに来て出て行く。
「常務!探しました!この大事な時に居場所ぐらい残していって下さい」会話が聞こえた。お客様の会話は原則、聞いちゃいけないんだけど。
どうしても、あの人が気になって。
常務なんだ!若いなぁ。僕より2才上位かな。何してるんだろう。
興味が湧いてくる。もちろん、来店されると嬉しくなっちゃうし。気になって、常に目で追ってしまう。

そんな日々が何日か続いたある日。

「常務!いい加減にして下さい」秘書らしき人が来店された。
何かトレブルでもあったのか、すごい勢いで話している。

呆れた様子で店を後にされる。「ありがとうございました」声をかける。
その時「君に逢いに、また来るからね」
嬉しい。あの人は、僕の気持ちを解ってくれていたんだ。
嬉しくて顔が歪む。今日、1日頑張れそう!
次に来店されたら、何されているのかとか色々聞いてみよう。

今、お客様が僕の背中を見たら嬉しくて震えていると思う。