侘寂菜花筵(わさびなかふぇ)

彼岸の岸辺がうっすらと見え隠れする昨今、そこへ渡る日を分りつつ今ここを、心をこめて、大切に生きて行きたい思いを綴ります。

越前和紙漉き手 人間国宝 岩野市兵衞さん

2011-02-19 23:52:28 | Weblog
  姫田監督の映像化への視点はあやまたずど真ん中に直球勝負!

  潔い美しい映像であった。

  寒中の紙漉を見事にとらえた。

  和紙の生命素材は楮
  楮を育て、刈り取り、蒸し、皮をはぎ、煮て、叩き、漉く、、、

  その行程はまさにきの遠くなるほど手間暇のかかるものだった。

  この行程には大勢の人々が関わる

  そして常にそこには神の存在があり、敬い畏れがある。

  繊維を煮る釜焚きの灯をいただきに雪をかき分けて権現山山上に
  鎮まる神祖神川上御前の祠に詣でる。

  川上御前は紙漉をこの地の人々に伝えた神祖として大切にお祀りされている。
  人々の敬虔な気持ちが伝わってくる春のお祭り風景だ。

  その生命素材が最高値となり、寒の冷たい水の中で
  リズミカルに漉かれていく様は
  まさに市兵衞さんと神様とのセッションを見る思いがした。


  あまりにしずかだ、、外は雪 きこえてくるのは
  規則正しい
  ぽっちゃん、ぽっちゃんと、波打つ水の音ばかり

  市兵衞さんが動かす手漉きの簾には均一に
  美しい最高値のミクロの生命素材がマクロの
  生命宇宙を顕現し、そこに越前奉書紙が立ち現れる。

  まさに紙は神である、、、

   すべてが自然からの恵みを頂戴した素材
  なべての行程が人の手によって成される。

  「越前奉書の特徴は、ぽってりと白くて柔らかい。
   和紙の和というものを重んじて、家族のものが
   穏やかに、祈りをこめて紙を漉くのです」と
   市兵衞さんは語る。
  
  

  

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