侘寂菜花筵(わさびなかふぇ)

彼岸の岸辺がうっすらと見え隠れする昨今、そこへ渡る日を分りつつ今ここを、心をこめて、大切に生きて行きたい思いを綴ります。

「アニミズムと文学」三省祭りイン京都大学東京オフィスバイ東京自由大学

2010-11-17 11:04:16 | Weblog
          海に行って 
       
      海の久遠をながめ

          お弁当を 食べる

    (中略)

      山に行って

          山の静かさにひたり

      お弁当を 食べる


  


    「森が森全体として放つ、いかにも懐かしい、気が遠くなるような香り」を体全体で嗅ぎとるのである。鎌田東二のこのことに集約されたいるかのような
    山尾の生き方、

     かつて私たち人間誰もがもっていたはずのもの、自然と共に生きていく上で必然だった感性

     置き去りにしてきたもの、、、プラスチックや化学物質に囲まれ、皮膚感覚はドンドン退化した。

     精神もそれに伴い鈍化の一途をたどりつづけた、、時折澱のように暗部でうごめく獣性が
  

     とんでもない形で表出してくるような現代の凶暴な事件のかずかず、言いしれぬ自らの暗部に潜む
     カオスを誰もが静かに抱えざるを得ない、、

     森や海や川や山や谷や獣たちとの交換の中で、ならしてきたはずのものが
     今、ならすすべもなく都会の喧噪の中であてどなくさまよう、、、

     もう経済成長はいい、、二番でも三番でもビリでもいい、、

     もののけの住むジャパンに回帰してもいい、、とすら

     思った。

     山尾はそれを遙か彼方から私に届けた。



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