わたきょんの観劇(感激)日記

日常生活や芝居についてのあれこれ

現代能楽集Ⅵ 奇ッ怪 其の弐

2011-09-10 01:04:41 | 観劇

現代能楽集Ⅵ 奇ッ怪 其の弐
8月25日 世田谷パブリックシアター

作・演出:前田知大
出演:仲村トオル、池田成志、小松和重、山内圭哉、内田慈、浜田信也、岩本幸子、金子岳憲

【あのとき】に父が亡くなり、跡を継ぐ人もない荒れ果てた寺にやってきた息子(山内圭哉)。
誰もいないと思っていたその場所に、見知らぬ男(仲村トオル)が住んでいた。

そこに、温泉で村の再開発を計画する業者(池田成志)と地質学者(小松和重)が、やってくる。
開発話をする2人と息子を前に、男が語る様々なエピソード。

臓器提供をした息子の死を受入れられずに、提供を受けた人を探して、息子に再会しようとする母の話。
うつ病の妻を自殺で失った男の話。

失ったものをどのように心の中に受入れていくのか、受入れられずにいるのか。
喪失感というものの深さを感じました。

息子と男以外はすべて死者だったとわかったあとに、同じ会話をしながら登場する業者と地質学者。

生きているものは、前に進んで行けるのに、亡くなった者は、一定の時間の中でしか存在できないから、同じことを繰り返すことしかできない。

でも、亡くなった人も、生きている人の記憶の中で生きつづけることはできる。

物語の【あのとき】は、硫化水素ガスの噴出で村人が犠牲になったことでしたが、否が応でも3月11日の大震災やその後の放射能汚染を連想してしまいました。

池田成志と小松和重が、いい雰囲気をかもし出して、笑いの部分を担ってました。

山内圭哉は、観客の戸惑いを一緒に背負ってくれていたように感じました。

飄々とした感じの仲村トオルは、バチスタの白鳥を思い浮かべちゃいました。

仲村トオルの声は、とっても素敵でした
他の役者もいい声で、セリフがとても心地よく耳にはいってきました。

客席に、V6の井ノ原快彦がいました。
帽子も眼鏡もマスクもなく、普通に座ってました。




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