Amazon Prime にて劇場公開版の字幕版を鑑賞。
監督・脚本:アリ・アスター
製作:ラース・クヌーセン、パトリック・アンデション
製作総指揮:フレドリク・ハイニヒ、ペレ・ニルソン、ベン・リマ―、フィリップ・ウェストグレン
出演:フローレンス・ビュー、ジャック・レイナー、ウィル・ポールター、ウィリアム・ジャクソン・ハーパー、ヴィルヘルム・ブロングレン、ビョルン・アンドレセン
音楽:ボビー・クーリック
製作会社:スクエア・ペグ、Bリール・フィルムズ
配給:ファントム・フィルム
上映時間:147分
製作国:アメリカ、スウェーデン
日本では2020年に公開。『ベニスに死す』で一世を風靡した美少年のビョルン・アンドレセンが出演するということで話題になった。当時、忙しくて観に行けなかったため、今頃になって鑑賞。
おい、アンドレセン、悲惨な役どころじゃねーか!!一瞬で退場とは…
あらすじ。心理学を専攻する女子大生ダニーは、双極性障害の妹が両親を道連れにガス自殺したことにより、深い悲しみの中にいた。
彼氏のクリスチャンはそんなダニーとは倦怠期にあり、重い荷物と感じているのもあるのか本当は別れたい模様。
とある日、クリスチャンは友人のスウェーデン出身の留学生ペレに誘われ、ペレの故郷の村に行くことになる。文化人類学専攻のクリスチャンは、卒論のテーマがまだ決まっておらず、インスピレーションが湧くかもしれないという思いもあった。
村人たちは一見カルトっぽく見えるが歓迎ムード。しかしその予感は的中しているどころか…
ホラー映画であることを思い出させてくれる、最後は怒涛の展開なのでした。
家族を全員失ったダニーにとっては、カルトの共同体で過ごした方が、クリスチャンといるよりは確かに幸せかもしれんわな。
私の身の周りにも、心理学専攻なのにカルトに染まった女がいて、まあ心理学学んでるから耐性身につけてるわけでもないし、ダニーは、自らその道を選んだわけだ。
統一教会も叩かれてるけど、信じて満足している人もいるわけだろうし、絶対悪といっていいのか?
しかし、本作でのホルガ村は、度を越したカルト団体として描かれている。
冒頭の、70過ぎた老人は自殺する風習は、『PLAN75』の最終形態であるように見えた。クリスチャンだかが発した「彼らにとっては施設に入れられる方が残酷かもしれない」と言った台詞は、施設従事者の私にとっては共感できるものがあった。自殺を儀式化するのも、衝撃的ではあるが納得感もある。
まあ、村なのに医療充実してないににそんなに長生きできんのかよ?という疑問もあるが。
だが、私が覚えてしまった共感も、かき消される展開となっている。
意図的に近親交配して障碍児を産み、村の共同体の志願者まで焼死させる始末。
セックスまで薬物を使用した完全な管理下で行われる。
どこまでが実際の事例を参考にしているか分からないから怖い。
文化人類学専攻の知り合いに聞いておきたいところだ。
鑑賞後は、やはりカルトは悪だと再認識させられた。それでもダニーのようにカルトしか心のよりどころのない人はいるのだということも。
老人問題については、施設に入れるというのも、彼らから見ればカルトだ。施設に認知症の老人を集めて尊厳を大部分削り生かしているのはカルトかもしれん。
以上