西田稔の爺(時事)評論

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核融合発電の新組織、本気か?

2023-12-26 17:24:14 | 政治・経済
12月26日の日経新聞によれば、政府は来春に核融合発電の実用化をめざす産官学の連携組織を立ち上げるという。50社ほどが参加するらしい。
核融合発電はエネルギー源を海外に依存する日本にとってぜひとも実現したい国産エネルギーとなる。
これを実現するためには、全身全霊をこめて技術開発に打ち込む100人、200人の科学者・技術者のチームが必要だし、安定した持続的な資金供給が欠かせない。そのうえで、5年内に実験炉、10年内に小型実用炉の運転を達成するというくらいの明確な目標設定と工程表を作成することが必要であろう。それくらいでなければ世界をリードする開発は進められない。
政府が予定しているような緩い連携組織では、参加者たちは取り残されないよう、取りあえず手を挙げて保険をかけておくという程度の取り組みにしかならないだろう。 いつものことだけどね。


台湾半導体TSMC九州に日本政府の黄金株を入れるべき

2023-12-20 15:17:03 | 政治・経済
台湾の半導体会社TSMCが九州熊本に工場を建設中である。これにはソニー株式会社が570億円を出資するが、それだけでなく日本政府が巨額の補助金を供与する。つまり日本国民の税金がこのプロジェクトに投入されるわけである。
しかし、近い将来に中国共産党政権が台湾を支配下に置くような事態が生じたとき、TSMCもまた中国の手中に落ちて、北京政権はその子会社たるTSMC九州工場の支配権を要求してくるであろう。このとき日本政府はどう対応するつもりか。
この事態に備えて、日本政府は巨額の補助金供与の見返りとしてTSMC九州に「黄金株}の提供を求めるべきである。この「黄金株}は日本の国家安全保障の危機事態においてのみ権利が発動され、TSMC九州の実物ならびに無形資産(特許権、技術ノウハウなど)の保全・移動禁止・譲渡禁止あるいは日本政府による経営権取得などの措置が可能となる条項が明示されなければならない。
これは如何にも過剰な心配のように思われるかもしれないが、国民の巨額の税金が投入される以上は至極当たり前の備えであると考える。日本人は「大変な事態など起きるはずはない」という正常バイアスをもって生活してきたので、この厳しい国際情勢のなかでのリスクを理解できないかもしれないが、国家のリーダー層がそうであってはならない。

日本のミサイル防衛

2023-12-19 18:28:00 | 政治・経済
北朝鮮がとうとう固体燃料型の長距離弾道ミサイルをほぼ完成したしたようだ。勿論まだ小型核弾頭の搭載が完全に可能になったかどうかは分からないにしても、日本の安全保障にとって脅威が格段に大きくなったことはたしかである。
この状況においては、日本も逡巡することなく固体燃料型の移動式、中距離弾道ミサイルの国産、配備に向けて動くべきときである。このタイミングを失すれば後に悔やんでも手遅れとなろう。この選択以外には日本が北朝鮮、中国によるミサイル攻撃の脅迫を抑止する方法はない。アメリカによる「核の傘」を期待するだけでは、あまりに無防備というほかはない。
北朝鮮による弾道ミサイル攻撃を抑止するだけが目的であれば、50基の前記弾道ミサイルの配備で足りるだろう。反撃目標が平壌と数か所の原子炉施設に限られるからである(もちろん、北朝鮮が日本の原子炉に照準をあわせないならば、目標は平壌のみになる)。
しかし、中国によるミサイル攻撃の脅迫を抑止する必要があるから、このための抑止力としては前記の弾道ミサイルを100~200基保有することが必要であろう。
これに要する費用であるが、ミサイル迎撃システムの増強や巡航ミサイルを多数購入する費用に比べれば安上がりであるし、なにより国産兵器であるから、日本の産業力強化にもつながるという利点がある。

日本の対中国政策、過去の失敗に学ぶ

2023-11-04 17:43:14 | 政治・経済
日本は昭和の初期、1930年代、満州(現在の中国東北地方)における権益を欧米諸国に門戸開放し分かち合っていれば、その後の日本の国際的孤立を防ぐことできて、悲惨な太平洋戦争に突き進むことも避けられたかもしれない。慢心と強欲の結果が大きな失敗を招いた。
戦後は、1970年代初頭にアメリカのキッシンジャー・ニクソン外交による中国接近戦略に煽られて、中国共産党政権と国交を開き、台湾の国民党政府(中華民国)を切り捨てるという過ちをおかした。現在、日本が東アジアにおいて唯一信頼できる国が台湾であるという現実を見るとき、その失敗を痛切に思い知らされる。
1989年の北京天安門事件における中国共産党政府の市民虐殺に対して自由民主主義諸国は厳しく批判し、制裁を実施した。しかし、その後、日本政府は欧米諸国に先駆けて制裁を解除し、中国共産党政権を支援した。その結果、欧米諸国も日本に続いて制裁を解除し、中国は経済の飛躍的発展を遂げることになった。
中国は経済発展の結果として自由・民主主義の方向に進むことなく、軍事強国化と世界覇権の獲得に向けて驀進している。
日本は天安門事件によって中国が国際的に孤立していた時に、尖閣諸島に灯台と気象測候所などの平和的施設を建設し、日本の領有権を国際的に明示しておくべきであった。
過去の失敗を考察し、いま現在の対中政策をどのように組み立てるか、考えてゆきたい。

地球温暖化と中・印などの経済成長

2023-11-02 11:48:32 | 政治・経済
世界的な異常高温と気象災害、漁業異変などが頻発している。これが人間社会の経済活動の結果であるとするならば、中国やインドなどの巨大人口国をはじめとして、世界の経済成長率が1%程度まで低下して安定しないかぎり、気候変動の加速は止められないだろう。
習近平独裁政権の民間企業活動規制と国営化推進によって中国の経済成長率は低下の傾向を示している。習近平主席が地球の気象異変を止めるには中国の経済成長率の抑制が必要であると理解してのことであれば素晴らしいのだが、それはないのだろう。中国共産党政権は、「一帯一路」戦略によって世界中の天然資源と市場を手中に収め、世界の半分を支配する覇権国家になろうとしているのだから。