旧統一教会と自民党安倍派の関係の謎

旧統一教会とその関連団体が日本国と日本人に対して深く強い敵意を持っているにもかかわらず、これら団体が自民党保守派に深く食い込み、その政治活動を熱心に支援してきたのか、不可解であったが、最近になってようやくその謎を少し理解できるようになった（気がする）。
これらの団体は、安倍政権の重要課題であった憲法改正と集団的自衛権の行使による日米安保条約の強化を掲げる政治集会などを熱心に応援してきた。日本の滅亡を希求する統一教会の韓国本部領袖（文鮮明・韓鶴子総裁たち）にとって、日本が憲法改正と日米同盟の強化をつうじて安定した強い国になることは望ましくないはずである。
しかし、彼らはそのようには考えなかったのではないか。日本の保守派が戦後にアメリカから押し付けられた憲法を改正し、真の独立国家として歩み始めることに対してアメリカの支配層は不快感と不安をもって見るようになるであろう。旧統一教会の領袖たちはそのように期待したのではないか。つまり、彼らは日本の憲法改正を支援することによって日米の離間をはかる、日本とアメリカの同盟にひび割れをおこさせ、日本を孤立させ、弱体化させることを狙ったのではないか。
日本の憲法改正（戦後体制からの離脱）を支援して日米関係に楔を打ち込むという思惑と、集団的自衛権行使の支持は日米同盟強化につながるという事実は矛盾するように見える。たしかにその通りだろう。しかしながら、日米同盟強化には反対という姿勢を示すことは、日米離間による日本の没落を狙うという自分たちの隠れた意図を自ら暴露してしまうことになる。それゆえに、自分たちの真意を隠すための煙幕あるいは眼くらましとして集団的自衛権の行使にも賛成するという姿勢を示したのであろう。
自民党安倍派やその周囲に集まる保守論客たちは旧統一教会と関連団体の意図に気づくことなく、これらの組織が自民党・保守勢力との友好関係を隠れ蓑にして日本人から巨額の財産を奪い、多くの日本人女性の人生を踏みにじる行為を続けることを見逃してしまったばかりか、いまだにその事実から目をそらしている。こうした態度は、おそらく旧統一教会と関連団体の背後にいる北朝鮮および中国共産党・統一戦線組織にとってまことに都合の良いものであろうことは容易に想像できる。