西田稔の爺(時事)評論

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良質な雇用・所得成長を実現するための方策こそ必要

2023-10-26 14:56:38 | 政治・経済
今日、23年10月26日の日経新聞Analysis欄、北尾早霧教授の論文が掲載されている。少子化の原因についての鋭い分析が示されて、おおいに啓発される。持続的な効果の期待できない子育て政策の乱発では解決策にはならず、「安定した雇用・所得こそ本筋」という結論が述べられている。
まさに正論だと思う。しかし、残念ながら、どうすれば良質な雇用・所得成長が実現できるのか、という肝心の点について、その方策が示されないままで終わっている。この点について、以下においてごく簡潔に私見を述べておきたい。
残念なことに、今や日本経済で最大の需要拡大分野は医療・介護の分野となっている。したがって、この領域において付加価値生産性を大きく向上させることが良質な雇用・所得成長のための重要なカギになっている。この分野で大きな技術進歩とシステム・イノベーションを実現し、付加価値生産性を大幅に向上させて、そこで働く人々の所得を飛躍的に引き上げること、それとともに、そこで実証された技術やシステムを海外に輸出して産業発展につなげる。
第2は脱炭素・環境の領域、第3は日本の食料安全保障にかかわる農林・水産業の領域において技術とシステムのイノベーションを加速し、それらに関係する産業・企業の成長と所得成長を実現すること、さらにそれらの領域を輸出産業に発展させること。そのために、政府は必要な制度改革と財政上の持続的な支援を大胆にじっしすること。
第4は、成長余地の大きい観光・旅行サービスの分野における付加価値生産性を引き上げる政策である。これには季節性料金システムの拡充など業界自身の工夫・努力がまず必要だが、それ以上に需要平準化のための休暇分散、そのための祝祭日の削減と休暇分散取得の促進などの制度改革が必要となる。
いじょう、きわめて簡潔で、要点のみの提案である。