親父の背中

昨日は実家へ、「父の日」のプレゼントを渡しにいった。
プレゼントといっても何も思いつくものが無いまま、実家へ行く途中にある「ユニクロ」に行く。
店内を彷徨い歩き、程なくして　なかなか良さそうなポロシャツを発見した！
「２枚でお得！！」などと　うたい文句があったが、あの父は間違いなく２枚は着ないと思い、1枚にした。　（低価格で気が引けたが・・・。）
実家に着くと、ポロシャツの選択は間違いでは無かったと思えた。
父が着ていた長袖のシャツ、なんともいえない柄で僕の記憶が正しければ、
　　　　　　もう、かれこれ３０年は着ている。
包装紙を照れくさそうに開け　ポロシャツを広げて見せる父。
「新しいシャツを買おうとしてたんだ！ちょうど良かった・・。」　あの口下手だった親父が、精一杯気を使っているように見えた。
母曰く、親父のこの長袖シャツは20年間着てるという。母が洗濯してるんだから間違いないだろう。
物持ちがいいのか、ほつれも何も無いこのシャツが本日の話題になった。
母が言う。仕事人間だった親父は、日曜日でさえ仕事に出掛けていき、休みなんて月に２日程度。
ほとんどワイシャツの生活で、私服の時が無かったからシャツが痛まないのだと・・。
当の親父は聞こえないフリをして、ベランダを眺めていた。
　無口な親父の背中だった。
　　　　　そんな親父も定年を迎え、のんびりとしている。