ハンゲショウ(ドクダミ科)
梅雨で今日も関西は本降り。
梅雨のころに開花する花の一つにハンゲショウがあります。
低地の水辺や湿地に群生しているのが見られます。臭気のある多年草で、群生するのは、地下茎を張り巡らせながら増えていくためです。
穂のわきにある葉が白く色づき、 遠くからでもよく目立ちます。
穂がハンゲショウの花の集まりで花穂(かすい)といいます。ドクダミと同じようにがくやはなびらはありません。
雨が花の中に入りにくくするため、筒状に小さな花が密集していて、下から順に咲きます。開花時になると花穂に近い2~3枚の葉の下半分が白くなります。これが、昆虫を誘引する仕組みになります。
花穂の個々の花を裸花 らか)と言い、 ドクダミ科の植物に見られる特徴のひとつです。花が終わると、 白く色づいた葉は薄緑色になります。
ハンゲショウはドクダミ科です。おもしろいことにドクダミ属はドクダミ1種しかなく、東アジアにしか分布しませんが、ハンゲショウ属は北米とアジアにそれぞれ 1 種ずつ計 2 種が含まれるだけで、そのうちの 1 種ハンゲショウは東アジアから東南アジアにしかありません。日本では、この時期ドクダミもハンゲショウも両方みることができる位置にあります。
東アジアと北米に見られる現象は、かって温暖な時期は北半球全域にあった植物が氷河期をむかえ、温暖な東アジアと北米の中緯度の温帯域で雨が多いところに生き残ったと考えられています。
ハンゲショウは農作業のめやすとして、夏至から半夏(11日あと)の間におわらせると言い伝えがあり、これが咲くまでに田植えを終えるめじるしになっていました。
関西では、半夏生の頃にタコを食べる習慣があります。淡路島の明石海峡公園ではハンゲショウが5000株植えてあり、今が見ごろ。
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