小学校で植物のつくり「根・茎・葉」を学びます。その後、中学1年でコケ・シダについて学びます。
シダの根・茎・葉はどれと先生に聞かれて答えるとたいてい間違ってしまいます。
植物の学習のむつかしいところです。(見えているところは「葉」で茎は地面の下)
シダは種子をつくらず胞子でと、顕微鏡でみせてもらうと小ささがわかるけど、教科書だけで学ぶと、テスト対策で胞子ということばさえおぼえればOK。でも、自然の不思議なしくみ「胞子」のイメージがつかめるだろうか。
野外の観察でもシダ植物は見分けにくい植物です。花がなくて地味な存在です。
今回は シダ植物の進化の話です。
陸上植物の化石は、古生代オルドビス紀前期(約4億7000万年前)のゼニゴケの仲間の化石です。(胞子の化石が見つかっています。)
陸上にはコケ植物の世界でした。その後、植物は乾燥にも耐えるように進化します。シダ植物の誕生です。リンボクの仲間(シダ植物ヒカゲノカズラ綱)が多く生えていました。このシダが地面に埋まって石炭になります。古生代デボン紀中期(約3億8500万年前)になって、種子植物が出てきます。
コケ植物についで進化したシダ植物ですが、進化したのは、根・茎・葉の分化がみられることです。
また、成長して背が大きくなるために、管状中心柱という、維管束(師管や道管などの集まり)を持ちました。
シダ植物の茎をうすく輪切りにして顕微鏡で、維管束をみることができます。
もっとも原始的な中心柱はウラジロの中心柱です。中心柱はただ一本の維管束からできています。
(原生中心柱)カニクサなどにもみられます。
次に進化したのがハコネシダの中心柱です。中心に髄があり、そのまわりに管状の維管束があります。(管状中心柱)イワヒメワラビ・フモトシダ・クジャクシダなどでみられます。
次に進化したと考えられるのは、リョウメンシダです。リョウメンシダの茎は環状に並んだいくつかの維管束からできています。(一環網状中心柱)。ワラビは網状中心柱が同心円状に二重になっています。(二環網状中心柱)
進化は単純から複雑に移行すると考えると、シダ植物進化は、中心柱は原始的な原生中心柱から管状中心へ、管状中心柱から網状中心柱へ進化したと考えられています。
地面の下から茎を見つけて比較すると進化のレベルがわかります。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます