ほんわか亭日記

ダンスとエッセイが好きな主婦のおしゃべり横町です♪

「耳鳴り」

2013-01-08 | エッセイ
2013年1月8日(火)

今日は、エッセイサークルの日。
今日のウィステの作品は、先日、耳鳴りがしたときの話。
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「 耳鳴り」                               
 図書館ボランティアの帰り道、車を運転していると、何か耳につく音が気になった。
しゃ~しゃ~と、草むらでいっせいに囀る虫の音のようだ。「十一月にもなって?」と
不審に思いながら、念の為に窓ガラスを下げてみるが、走行する車のエンジン音が入ってくるだけだった。
外の音では無い。両方の耳が詰まったような違和感があるが、すると、これは耳鳴りなのだろうか。
ハンドルから放した左手の指で耳の中を探ってみるが、詰まった感じはとれず、音も止まない。
昔、夫の同僚の方が突発性難聴を発症し、片耳が聞こえなくなったことがあったと思い出し、
私の身にも同じことが起きたのだろうかと不安だ。確か、ストレスが引き金になると聞いたけれど、
今日のボランティアで行った朗読が、風邪気味の体にストレスだったのだろうかと、原因を
探しながら家に戻って来た。
 耳が聞こえなくなったら、どうしよう……。
 午後は友人の畑にヤーコン掘りに行く予定だったが、彼女に電話して中止にしてもらい、耳鼻科を優先する。
 エネルギッシュな感じの男性の先生は、私の話を聞き、耳の中を診て、
「内耳も外耳も、炎症などの異常はありません」と言い、聴力検査をすることになった。
狭い部屋に入り、イアフォンからピーっと音がしたら、ボタンを押すというやり方なのだが、
耳を澄ましていると、かすかに音がして、急いでボタンを押すけれど、時間差は致し方ない。
反応が遅い分、聴力が悪いと判定されないか気にしながら、検査を続けた。
 結果のグラフが出てくると、緊張でどきどきしたが、先生は、にこにこしながら、
「聞こえが悪くなってきていますが、補聴器が必要なほどではありません。
突発性難聴なら、片耳ですが、どちらも同じようですし、これでしょう」
 と、説明書にある、「老人性」という文字を指でツンツン指した。
〈老人性ですって!
 だからって、変に気を使わないでください。
 老人性難聴って、はっきり言葉で言って下さい。
 口にしないからって、気遣いと違いますから……。
 もう充分、ショックです……〉
 私も、口にしない言葉を胸の中で転がす。
「耳鳴りとか、耳がぼわんとしているのは、鼻と耳を繋ぐ管から空気が耳のほうへ行って、抜けにくく
なっているのでしょう。一週間ほど様子を見てください。直らなければ、又来てください」
と言われ、萎れた気分で帰ってきた。
家で耳を澄ますと、耳鳴りはさわさわ、さわさわと切れ目無く続いている。直るのだろうか、それとも、
この音をこれから一生聞いていくのか……。両耳に指を入れ、動かしても、それは続いている。息をするたびに、
空気が耳の奥に押し寄せて、この音になっているのだろう。それなら、まさに息吹。心臓の鼓動の音と同じで、
私が生きている音なのだと思うことにしよう。
友人に診察の結果を電話すると、彼女は、「老人性」という言葉にひとしきり笑った後、
「まだ時間があるから、ヤーコン掘りにいこう」と、私を誘い出してくれた。
夕暮れの迫る畑は空気が冷え冷えしている。私は、「若い私が掘るから」と、彼女の手から鍬を取り、
バサッバサッと、ヤーコンの根元を掘りだした。茎を引くと、小ぶりのサツマイモのようなヤーコンが
いくつも付いていた。「よ~し」と、別の株を掘り進むが、しばらくして息が上がって、一休み。
そう、この鼻息も、耳鳴りの素なんだろう。それでも、纏わりつく耳鳴りにかまっているより大事なこと、
それは今晩のおかず掘りだと、私はヤーコンだけに集中して、次の株にエイっと鍬を振り下ろした。
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先生も、他の方も、「私も耳鳴りしますよ」と・・。
そうなんだ・・。
最近は、あまり気にしなくなったけれど、このエッセイを取り上げたせいか、今日は久しぶりに、
耳鳴りの実感がします・・。

帰りに、HさんIさんと、新規開店した駅向こうの中華料理屋さんへ、新年会の予約に行った。
若い店員さんが、年末に開店したときには、お客さんが200人くらい来てくれて、
こちらも慣れていなくて、同じ料理を二度もお客さんに出したり、出し間違えたりと、
大騒ぎだったと話してくれた。
いろいろメニューの相談にも乗ってくれて、一生懸命な感じだった。
これから頑張ってね。(^^)
コメント
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