2011年1月30日(日)
「下流の宴」
図書館に申し込んで何ヶ月も待った林真理子「下流の宴」が来た~♪
母親が医者の娘だったというプライドを持つ福原家は中流の家庭。
ところが息子はフリーター。
娘・可奈は、上昇志向が強い。可奈が目指すは、お嬢様大学からセレブ妻へなる
こと。そのための就活、婚活に励んでいるのだ。
母親が元レディースの頭、再婚後は沖縄の島で居酒屋を営んでいる宮城家は、
自他共に認める下流の家。東京でフリーターをしている娘、玉緒が、福原家の
息子、翔と同棲し、結婚したいとなった・・・。
もちろん、福原家の母は大反対。医者の娘の自分の家と下品な玉緒の家では格差が
ありすぎと。
怒った玉緒は宣言する。自分が医者になる。そして愛を貫くと・・・!
この本は、二つのシンデレラストーリー。
可奈のセレブ妻への道。不倫への誘いをすり抜け、冴えない場所の正社員の口を
断って、都心の派遣となった可奈は、ついにセレブ妻に・・。
可奈をとりまく、高学歴でやや上流の互いの弱点を狙い合う青年群像がいいね。
「気の毒な人に同情することは、自分をその人と同じ下に引き摺り下ろすこと」
という、可奈の若い残酷さをさらりと書ける作者はさすがです。
玉緒は、ぐいぐいと周りの協力者や運を呼び込み、予備校の通信コースへ。
ここが、シンデレラっぽいが、読者に「ありかも」と思わせるのも作者の筆の力だなあ。
玉緒の弟たちを含め、都会を漂流する「下流」の若者たちも、裏のバイトに手をだすなど、
現代の落とし穴、危うさすれすれ。どっち側に落ちるかという場合なのに、本人たちは
いちずだ・・。
ところが、玉緒が奇跡的に医大に合格すると、翔はもう一緒にいられないと言う。
努力する人の側に居るのが、圧迫感で、いやなのだそうだ。楽に生きたい派なんだ・・。
福原家の母は、「二十年後、息子はあいかわらずフリーターで、玉緒は女医」
と打ちのめされる。
リストラされた夫と別居し、実家に戻ってきた可奈の息子が、彼女の希望となる・・。
これはまだ人生の第一ラウンドだよ。先をどう生きるか・・と、可奈に声をかけたいなあ。
福原家の父もそう思っているところが、筆の温かさかな。
なんか、若い&新興セレブたちとすごく遊んだ経験が作者の財産になっているんだなあと
感じるわ・・。
女性の意地悪さも自然に描けるのも、中流のプライドもみんな作者が
経験してきたことなんだろうなあ・・。
数ヶ月も待ったけれど、止められない止まらないで、一日で読んでしまった。
明日から、もう一回読みたい・・そんな本でした。
ポチは、今日もお医者さんへ。落ち着いていたけれど、夜、外にオシッコに出てから、
咳が何度も何度も出る。苦しそう・・・。肺炎に冷気が悪かったのかなあ・・。
「下流の宴」
図書館に申し込んで何ヶ月も待った林真理子「下流の宴」が来た~♪
母親が医者の娘だったというプライドを持つ福原家は中流の家庭。
ところが息子はフリーター。
娘・可奈は、上昇志向が強い。可奈が目指すは、お嬢様大学からセレブ妻へなる
こと。そのための就活、婚活に励んでいるのだ。
母親が元レディースの頭、再婚後は沖縄の島で居酒屋を営んでいる宮城家は、
自他共に認める下流の家。東京でフリーターをしている娘、玉緒が、福原家の
息子、翔と同棲し、結婚したいとなった・・・。
もちろん、福原家の母は大反対。医者の娘の自分の家と下品な玉緒の家では格差が
ありすぎと。
怒った玉緒は宣言する。自分が医者になる。そして愛を貫くと・・・!
この本は、二つのシンデレラストーリー。
可奈のセレブ妻への道。不倫への誘いをすり抜け、冴えない場所の正社員の口を
断って、都心の派遣となった可奈は、ついにセレブ妻に・・。
可奈をとりまく、高学歴でやや上流の互いの弱点を狙い合う青年群像がいいね。
「気の毒な人に同情することは、自分をその人と同じ下に引き摺り下ろすこと」
という、可奈の若い残酷さをさらりと書ける作者はさすがです。
玉緒は、ぐいぐいと周りの協力者や運を呼び込み、予備校の通信コースへ。
ここが、シンデレラっぽいが、読者に「ありかも」と思わせるのも作者の筆の力だなあ。
玉緒の弟たちを含め、都会を漂流する「下流」の若者たちも、裏のバイトに手をだすなど、
現代の落とし穴、危うさすれすれ。どっち側に落ちるかという場合なのに、本人たちは
いちずだ・・。
ところが、玉緒が奇跡的に医大に合格すると、翔はもう一緒にいられないと言う。
努力する人の側に居るのが、圧迫感で、いやなのだそうだ。楽に生きたい派なんだ・・。
福原家の母は、「二十年後、息子はあいかわらずフリーターで、玉緒は女医」
と打ちのめされる。
リストラされた夫と別居し、実家に戻ってきた可奈の息子が、彼女の希望となる・・。
これはまだ人生の第一ラウンドだよ。先をどう生きるか・・と、可奈に声をかけたいなあ。
福原家の父もそう思っているところが、筆の温かさかな。
なんか、若い&新興セレブたちとすごく遊んだ経験が作者の財産になっているんだなあと
感じるわ・・。
女性の意地悪さも自然に描けるのも、中流のプライドもみんな作者が
経験してきたことなんだろうなあ・・。
数ヶ月も待ったけれど、止められない止まらないで、一日で読んでしまった。
明日から、もう一回読みたい・・そんな本でした。
ポチは、今日もお医者さんへ。落ち着いていたけれど、夜、外にオシッコに出てから、
咳が何度も何度も出る。苦しそう・・・。肺炎に冷気が悪かったのかなあ・・。