2016年1月16日(土)
朝から、大根を切って、昨日の干し網籠に入れて、物干しざおに干したよ。(^^)
2本頂いたけれど、1本分で、ちょうどいっぱいになった。
上手く出来るかな・・?(^^)
さて、今日は、エッセイを・・・。(文中仮名)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「迷い猫」
日曜日の午後、公民館のダンスの自主練サークルで、新人男性の臼井さんを教えていると、
「ミャー、ミャー」という鳴き声とともに、ホールに子猫が入って来た。白にところどころぶちが入ったその子猫は、
近くにいた四、五人の中から私を選んだのか、近寄ると、私の脚の間を、するすると行ったり来たりし始めた。
犬派の私が、どうしたものかと戸惑いながら子猫の顔を覗き込むや、ちょっと怒ったように牙を見せながら、
「ミャー、ミャー」と、主張してくる。「寄るな、寄るな」なのか、「怖い、怖い」なのか?
猫を飼っているという臼井さんが、指折り数えながら、
「猫は、三月か四月に生まれるから、六か月くらいかな。綺麗だから、飼い猫だな」
と、言う。そういえば、二月ごろに「猫の春」という言葉もあるし、その恋の後、一斉に子猫が生まれ、
同じ時期に同じ月齢になるんだ、人間と違うんだと納得しつつ、飼い猫という言葉に少しほっとした。
すると、迷子なのだろうか?
それにしては、首輪をしていない。
「うち、猫は飼えないから」
と、さっさと離れていく女性もいる。私も、
「うちのマンションも、ペットは、ダメだから」
と、言っておく。とにかく、ダンスをしているところでは、危ないからと、臼井さんが、すっと抱っこして、
玄関の外に連れて行ってくれた。
だが、彼が階段の下に下すと、すぐ、玄関の中のたたきまでよじ上り、そして、「ミャー、ミャー」言いながら
下駄箱を嗅いだ後、また、通路まで入ってきた。玄関と通路の境が自動ドアなので、簡単に開いてしまうのだ。
お腹が空いて、必死なのかもしれない。
「でも、ここはダメだよ」と言いながら、私は、ホールのドアを閉め、猫のことも心から締め出した。
「公民館の職員さん、キャットフードと水、そして、頭を撫でてやってください」
というのが、本音だ。
ダンスの練習を再開してほどなく、ホールのもう一か所のドア付近で、「こら!」という男性の声が聞こえた。
あの子猫が、また入って来たのだ。そちらのドアは、駐輪場に面しているから、玄関から建物をぐると回って来たに違いない。
「どうしてそこまで、私たちのところに来たいのだい?」と、心がちくっとしたが、猫は、その男性の声と、
床をバンバン踏み鳴らす音に、外へ飛び出して行ってくれた。
サークルの帰りに、玄関から出て回りを見まわしたが、子猫の姿はもう見えなかった。私は、この公民館で、
水曜日にもダンスを習っているが、そのダンスサークルの先生は、大の猫好き。今、飼っている四匹の猫のうち、二匹は、
ここで拾った猫だそうだ。ということは、公民館に猫を捨てにやってくる人もいるのだ。十月の晴れ渡った日も暮れ始め、
風が涼しくなっている。あの子猫は、ただの迷い猫で、飼い主が探しに来て、ちゃんと家に戻れたんだと、
自分に言い聞かせながら、車を運転してマンションの自宅に戻って来た。
部屋の扉を開けた時、昔は、「ただいま」と言い、「お帰り」と、誰かが迎えてくれる生活があったと思い出した。
夫を亡くし、独り暮らしになって、十二年。四年ほど前、まだ、一軒家に住んでいた頃は、ポチが、「ワン、ワン」
出迎えてくれたっけ。今も、ペット飼育禁止のマンションに、居ない筈の「キャン、キャン」鳴く犬の声が、
ベランダごしに聞こえてくる。うちと同じような間取りでも、部屋の中を小さな犬が駆け回る部屋がどこかにあるんだろう。
ポチのように……。
あの「ミャー、ミャー」という声に出迎えられる生活って、どんな風なのだろう?
いや、「当マンションは、ペット禁止です」と、掲示されているところでは、周りの方々が見て見ぬ振りをして
くださったとしても、私は、飼えない……。
そんな私の耳の奥から、小さな「ミャー、ミャー」という声が、呼びかけてくる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ムスメのところでは、ワンちゃんを飼っている。
もう12歳のおじいちゃん犬になってしまった。
お正月にムスメが、「ワンちゃんの変顔」と言って、最新版のワンちゃんの写メを
くれたわ。大口開けた変顔も可愛い。(^^)
朝から、大根を切って、昨日の干し網籠に入れて、物干しざおに干したよ。(^^)
2本頂いたけれど、1本分で、ちょうどいっぱいになった。
上手く出来るかな・・?(^^)
さて、今日は、エッセイを・・・。(文中仮名)
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「迷い猫」
日曜日の午後、公民館のダンスの自主練サークルで、新人男性の臼井さんを教えていると、
「ミャー、ミャー」という鳴き声とともに、ホールに子猫が入って来た。白にところどころぶちが入ったその子猫は、
近くにいた四、五人の中から私を選んだのか、近寄ると、私の脚の間を、するすると行ったり来たりし始めた。
犬派の私が、どうしたものかと戸惑いながら子猫の顔を覗き込むや、ちょっと怒ったように牙を見せながら、
「ミャー、ミャー」と、主張してくる。「寄るな、寄るな」なのか、「怖い、怖い」なのか?
猫を飼っているという臼井さんが、指折り数えながら、
「猫は、三月か四月に生まれるから、六か月くらいかな。綺麗だから、飼い猫だな」
と、言う。そういえば、二月ごろに「猫の春」という言葉もあるし、その恋の後、一斉に子猫が生まれ、
同じ時期に同じ月齢になるんだ、人間と違うんだと納得しつつ、飼い猫という言葉に少しほっとした。
すると、迷子なのだろうか?
それにしては、首輪をしていない。
「うち、猫は飼えないから」
と、さっさと離れていく女性もいる。私も、
「うちのマンションも、ペットは、ダメだから」
と、言っておく。とにかく、ダンスをしているところでは、危ないからと、臼井さんが、すっと抱っこして、
玄関の外に連れて行ってくれた。
だが、彼が階段の下に下すと、すぐ、玄関の中のたたきまでよじ上り、そして、「ミャー、ミャー」言いながら
下駄箱を嗅いだ後、また、通路まで入ってきた。玄関と通路の境が自動ドアなので、簡単に開いてしまうのだ。
お腹が空いて、必死なのかもしれない。
「でも、ここはダメだよ」と言いながら、私は、ホールのドアを閉め、猫のことも心から締め出した。
「公民館の職員さん、キャットフードと水、そして、頭を撫でてやってください」
というのが、本音だ。
ダンスの練習を再開してほどなく、ホールのもう一か所のドア付近で、「こら!」という男性の声が聞こえた。
あの子猫が、また入って来たのだ。そちらのドアは、駐輪場に面しているから、玄関から建物をぐると回って来たに違いない。
「どうしてそこまで、私たちのところに来たいのだい?」と、心がちくっとしたが、猫は、その男性の声と、
床をバンバン踏み鳴らす音に、外へ飛び出して行ってくれた。
サークルの帰りに、玄関から出て回りを見まわしたが、子猫の姿はもう見えなかった。私は、この公民館で、
水曜日にもダンスを習っているが、そのダンスサークルの先生は、大の猫好き。今、飼っている四匹の猫のうち、二匹は、
ここで拾った猫だそうだ。ということは、公民館に猫を捨てにやってくる人もいるのだ。十月の晴れ渡った日も暮れ始め、
風が涼しくなっている。あの子猫は、ただの迷い猫で、飼い主が探しに来て、ちゃんと家に戻れたんだと、
自分に言い聞かせながら、車を運転してマンションの自宅に戻って来た。
部屋の扉を開けた時、昔は、「ただいま」と言い、「お帰り」と、誰かが迎えてくれる生活があったと思い出した。
夫を亡くし、独り暮らしになって、十二年。四年ほど前、まだ、一軒家に住んでいた頃は、ポチが、「ワン、ワン」
出迎えてくれたっけ。今も、ペット飼育禁止のマンションに、居ない筈の「キャン、キャン」鳴く犬の声が、
ベランダごしに聞こえてくる。うちと同じような間取りでも、部屋の中を小さな犬が駆け回る部屋がどこかにあるんだろう。
ポチのように……。
あの「ミャー、ミャー」という声に出迎えられる生活って、どんな風なのだろう?
いや、「当マンションは、ペット禁止です」と、掲示されているところでは、周りの方々が見て見ぬ振りをして
くださったとしても、私は、飼えない……。
そんな私の耳の奥から、小さな「ミャー、ミャー」という声が、呼びかけてくる。
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ムスメのところでは、ワンちゃんを飼っている。
もう12歳のおじいちゃん犬になってしまった。
お正月にムスメが、「ワンちゃんの変顔」と言って、最新版のワンちゃんの写メを
くれたわ。大口開けた変顔も可愛い。(^^)