黒岩涙香の「妾(わらは)の罪」を第五十回まで掲載しました。
黒岩涙香の作品の六作目の連載です。
前半(第二十五回まで)はバアサ・エム・クレイの「取り付かれた人生」の小説の翻案だと言うことです。
後半は涙香自身の書き下ろしだと思われる。
1890年 都新聞に連載された。
内容;
前半は厳格な父を恐れた古池侯爵家の一人娘、華藻嬢(妾(わらわ))が一寸したはずみで秘密の夫婦になった若い医師村上達雄を古池に落としてしまい、殺人者になったと思い込み熱を出して寝込んでしまう。
殺人の罪が恐ろしくなった華藻嬢はベルギーに逃げようとするが、従弟であり、父が華藻の婿にしようとしている古山男爵が追い付いて来て、逃げるのを手伝うと言う。
一緒の宿に泊った晩、寝苦しくて目を覚ますと壁に怪しい影法師の影が写る。華藻嬢はランプの位置のせいかと思い、ランプの位置を変えようとするが、持ったランプが熱くて投げ出してしまう。それが寝ていた古山男爵に当たり、古山男爵は飛び散ったランプの油に火が付き焼け死んでしまう。
死んだものと思っていた村上は溺れ死なず、自力で池から這い上がっていたが、華藻嬢に意図的に池に押し落とされたと思い込んでおり、置手紙にその恨みを書いて立ち去っていた。
洲崎嬢、古山男爵殺しで逮捕され、先ず洲崎嬢殺しで裁判に掛けられている法廷で、洲崎嬢を池に追い落とした証拠として、村上の置手紙が朗読されることになった。
その手紙には、
「嬢よ、貴方は何気なく私を突いたのではない。手先に十分な力を込めて突いたのだ。」
とあった。
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