宇宙戦艦ヤマト復活篇を、結構前に見てきました。
感想ははっきり言って「…」です。まぁ、やはり前作は超えられなかったという感じです。前売り券1300円ならまだしも、通常1800円ではちょっと…と思ってしまう内容でした。パッと見、カスケードブラックホールが“さらば宇宙戦艦ヤマト”の白色彗星と被るし、まだまだ練りこまれていない印象を覚えました。
復活篇に関して、mixiのコミュとか、もうボロクソに書かれてますね。
私にとって特にありえないと思ったのは、劇中でクラシック(グリーグピアノ協奏曲、ベートーベン 月光など)を使っていたこと。あれにはもう呆れて呆然としてしまいました。
しかも、なんですか、敵の大砲がヤマトに照準を合わせるときの音楽。TV朝日の黄金伝説で、食べ物を紹介するときによくかかるあの曲(ベートーベン 皇帝)。それがしつこく(大砲が5門あるので)かかるんですよ。もう・・・馬鹿にしてるのか!金返せ!って感じですね。
ヤマトの魅力は音楽のすばらしさ。ヤマトファンなら音楽を聞けばどのシーンなのか、むしろ映像はさることながら、セリフと効果音がついつい浮かんでしまうのではないでしょうか。それほど映像に密接に絡み合ったものなんです。残念ながら、今日までに作曲者の宮川氏も羽田氏も亡くなられたので、今作ではどうなるのか期待や楽しみにしていた方も多かったと思いますが、これはあまりにもひどすぎる。手を抜きすぎ。(まぁ、両氏に匹敵する音楽家がいないと言えばいないですが…)
キャラもかつてほどの“熱意”、“情熱”がない。(松本氏が関与していないからか…) というか、薄い。せっかく出てきた新メンバーも、ペラペラすぎてどれも印象に残ってないですね。古代進と娘 美雪の関係も不十分すぎでしょ…。
そして、肝心なシーンのセリフがしょぼい。ラストのメッツラーが艦橋に出現するシーンも、“さらば”みたいではありますが迫力に欠ける。子供じみてました。ズウォーダーほどの恐怖シーンを与えて欲しかったです(笑)
また、特に窮地でもないのに無駄に特攻が2回もある。こんな時代なんだから特攻を美化してはいけないと思いますね。
結末もあっけなさすぎ。と思ったら、いきなりエンディング。
おいおい、ブラックホールに飲み込まれてしまう地球に覚悟して残った真田さんや佐渡先生は、このラストの展開になにを思っているんだ?? 電算室で死んでしまったあの娘もそのまま・・・?? ストーリーが先走りすぎて、キャラに対する描写が中途半端だということです。
個人的には前半部はそれなりには良かったと思っています。完結編のラストシーンの回想もあり、初めてのスクリーンでの映像にいささか興奮、感動しました。また、移民船団をワープさせるシーンは、若干旧作の音楽に助けられてる感も否めませんでしたが、なかなか迫力があって見入ってしまいました。まぁ、初めてヤマトを見る人やそんなに思いいれの無い人にとってみれば楽しめる作品かもわかりません。
う~ん。やはり“前”が偉大だとそれを超えるのは難しいですよね。。
来年は実写版 宇宙戦艦ヤマトが控えています。元日から宣伝も大々的にやるようです。
ただ、ヤマトファンからすると、もうヤマトの印象をぶち壊さないでもらいたいですね・・・
※苦言多数ですが、ヤマト復活を心から祝福し、ご尽力された関係者には感謝の意を表します。