河内国喜志村覚え書き帖

大坂の東南、南河内は富田林市喜志村の歴史と文化の紹介です。
加えて、日々の思いをブログに移入しています。

暑さ寒さも彼岸まで

2022年03月19日 | 菜園日誌

生気がみなぎようとする彼岸は春の農事の始まりです。

待ちに待った春の到来。
 ちらほら鳥も獣も彼岸かな [日野草城]
暖かくなり、彼岸を過ぎると春野菜の植え時。、
 大根の種子の売るるも彼岸まで [高野素十]
ところが、今年は土曜日から寒の戻り。
 毎年よ彼岸の入りに寒いの   [正岡子規]

昔のサラーリーマンにとっての彼岸は、
 うとましや彼岸七日の晴れつづき [久保田万太郎] 
今は三連休で晴れるとうれしいのですが、昔の奉公人は、お盆は三日の休みがあって故郷に帰れる。ところが、春分(春季皇霊祭)は一日だけの祭日で、故郷にも帰れなかった。だから、七日もある彼岸が晴れているのはますます腹立たたしくなるというわけです。
同じようなのが都々逸(どどいつ= 7・7・7・5の俗謡)にもあります。
 盆々と待ってた盆がただ三日 いらざる彼岸が七日ある
コロナやウクライナが加わり、ますますうとましくなります。
とはいえ、明るく元気に、前向きに。

※「聖霊」はキリスト教的のものではなく、日本的な〈目に見えないパワーや霊の塊〉〈肉体または物体から解放された自由な霊〉という意味。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ちょっといっぷく15

2022年03月19日 | よもやま話

春の彼岸です――暑さ寒さも彼岸まで
と、まずはお決まりの文句から・・・。

あつささむさも(7) ひがんまで(5)
七五調の音韻は日本人にとって心地よい響きがあります。

◆越天楽今様(6年生)七五調 
  はるのやよいの(7)あけぼのに(5)
  よものやまべを(7)みわたせば(5)
  はなざかりかも(7)しらくもの(5)
  かからぬみねこそ()なかりけれ(5)
◆春の小川(3年生)七調 
  はるのおがわは(7)さらさらいくよ(7)
  きしのすみれや(7)れんげのはなに(7)
  すがたやさしく(7)いろうつくしく(7)
  さけよさけよと(7)ささやきながら(7)
◆春がきた(2年生)五調 
  はるがきた(5)はるがきた(5)
  どこにきた(5)やまにきた(5)
  さとにきた(5)のにもきた(5)

と思っていたら、こんなのがありました。

◆ひらいたひらいた(1年生)乱調
  ひらいた(4)ひらいた(4)
  なんのはなが(6)ひらいた(4)
  れんげのはなが(7)ひらいた(4)
歌ってみると七五調になります。
  ひらいた()ひらいた(
  なんのはなが()ひらいた(
  れんげのはなが()ひらいた(

???最後に(8)が入っている。実は読むときに間をとると――は休止符
  ひーらいた△△△(8)ひーらいた△△△(8)
  なーんのはなが(8)ひーらいた△△△(8)
  れんげのはーなが(8)ひーらいた△△△(8)

七五調は「八八調」なのです。

文章を読むとき、休止符(間)を意識して「八」にすると調べがよくなります。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする