生気がみなぎようとする彼岸は春の農事の始まりです。
待ちに待った春の到来。
ちらほら鳥も獣も彼岸かな [日野草城]
暖かくなり、彼岸を過ぎると春野菜の植え時。、
大根の種子の売るるも彼岸まで [高野素十]
ところが、今年は土曜日から寒の戻り。
毎年よ彼岸の入りに寒いのは [正岡子規]
昔のサラーリーマンにとっての彼岸は、
うとましや彼岸七日の晴れつづき [久保田万太郎]
今は三連休で晴れるとうれしいのですが、昔の奉公人は、お盆は三日の休みがあって故郷に帰れる。ところが、春分(春季皇霊祭)は一日だけの祭日で、故郷にも帰れなかった。だから、七日もある彼岸が晴れているのはますます腹立たたしくなるというわけです。
同じようなのが都々逸(どどいつ= 7・7・7・5の俗謡)にもあります。
盆々と待ってた盆がただ三日 いらざる彼岸が七日ある
コロナやウクライナが加わり、ますますうとましくなります。
とはいえ、明るく元気に、前向きに。
※「聖霊」はキリスト教的のものではなく、日本的な〈目に見えないパワーや霊の塊〉〈肉体または物体から解放された自由な霊〉という意味。