彼岸の中日の23日に植えた「大阪しろ菜」がいち早く芽を出した。右の菜の花はまだ発芽していない
野菜の中で「大阪」の冠名がつくのはこの「大阪しろ菜」だけである。
江戸時代から大阪北区の天満界隈で盛んに作られていたので「天満菜」ともいう。
アクやクセがなく柔らかいので誰でも食べることができる。
暑さにも強いので、野菜の少ない夏場には「しろ菜とアゲのたいたん」が毎日出されたという。
ところが、徐々に市場に並ばなくなる。
「しろ菜」を漢字で書くと「白菜」で、球にならない非結球白菜の一種だ。
昭和の初期に結球した「白菜」が市場に出回りだすと、「しろ菜」の人気が一度に下がった。
さらに戦後は、小松菜に押されて、とうとう市場から姿を消してしまう。
再び姿を現すのは、2005年に「大阪市なにわの伝統野菜」に認定されてからである。
大阪の冠名がつくのはそのためだ。
大阪市内では「天満菜」で売られている所もある。
※写真は昔の天満市場(大阪市立図書館デジタルアーカイブ)