朝、目覚めて、まず、コーヒーをドリップして外に出る。
玄関に据えた置き配用の椅子に座ってコーヒーをすする。
山茶花の蕾が赤くなつているのにふと気づく。
短い秋もそろそろ終わりか……。
薄い墨で描いたようなちぎれ雲がいくつも西から東へ流れていく。
やがて、雲の上端がうっすらと明かみをおびてくる。
山の端から太陽が昇り、日の出を告げてくれる。
そして、この朝日をいっぱい浴びる。
それを日課にしている。
太陽の上辺が地平線に一致する時刻を日の出という。
しかし、我が地は東に1000m級の金剛山地に囲まれているので、山の端から太陽が現れる時刻は20分ほど遅く、それを日の出とよんでいる。
早い話が、朝日を浴びる時間だ。
春夏秋は、ほとんど畑で迎えるが、冬場は玄関の椅子に座って、コーヒーをすすりながら迎える。
雨や曇りの日でも、それを日課にしている。
インターネットの受け売りで言うと、朝日を浴びると幸せホルモンのセロトニンとやらが活性化され、体内時計がリセットされて副交感神経から交感神経への切り替えがうまくいき、自律神経のバランスが整うのだという。
英語では「Bask in the morning sun」という。
そこで、朝日を浴びる毎日の日課を「朝日のバスクリン」と言っている。
もちろん、これは冬場の呼び名で、夏場は「ホルモン焼き」と言っている。
民謡『会津磐梯山』の小原庄助さんは、「朝寝 朝酒 朝湯が大好きで それで身上つぶした(破産した)」だが、
我が朝日の「ホルモン焼き」と「バスクリン」は無料だから、身上つぶすことはない。
今日も今日とて、のんびりと朝湯に どっぷりとつかるとするか。
♪笹に黄金がなりさがる♪