「人は人中、田は田中」ということわざがある。ぽつんと一つある田んぼより、周りを田んぼに囲まれている方が米がよく育つという意味。
「米」という漢字は「八十八」の手間がかかることから生まれたという。それだけ手間をかけた田んぼが周りにあれば、自分の田んぼも手を抜くことができないので、一所懸命手入れをしなければならない。だから、米がよく育つ。人間関係同様に「持ちつ持たれつ」ということだ。
同じようなことわざが、鹿児島県の南方、世界遺産の屋久島にもある。
「人は人中、木は木中」
屋久島には樹齢3,000 年を越える「屋久杉」と呼ばれている大きな杉の木がある。杉の木は杉林の中でしか育たない。周りの木が切り倒されてしまうと調和が崩れ、大きな杉が育たず、やがて枯れてしまうそうな。木は木の中でこそ育つ。
人もまた人の中で育つ。家族はもちろん、いろいろな人達と触れ合う中で、互いに助あって成長する。
屋久杉を代表するのが縄文杉。屋久島に自生する最大級の杉だ。
※版画は川瀬巴水(国立国会図書館デジタルより)
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