河内国喜志村覚え書き帖

大坂の東南、南河内は富田林市喜志村の歴史と文化の紹介です。
加えて、日々の思いをブログに移入しています。

人は人中、田は田中

2022年03月10日 | 菜園日誌

 「人は人中、田は田中」ということわざがある。ぽつんと一つある田んぼより、周りを田んぼに囲まれている方が米がよく育つという意味。

 「米」という漢字は「八十八」の手間がかかることから生まれたという。それだけ手間をかけた田んぼが周りにあれば、自分の田んぼも手を抜くことができないので、一所懸命手入れをしなければならない。だから、米がよく育つ。人間関係同様に「持ちつ持たれつ」ということだ。

 同じようなことわざが、鹿児島県の南方、世界遺産の屋久島にもある。

 「人は人中、木は木中」

 屋久島には樹齢3,000 年を越える「屋久杉」と呼ばれている大きな杉の木がある。杉の木は杉林の中でしか育たない。周りの木が切り倒されてしまうと調和が崩れ、大きな杉が育たず、やがて枯れてしまうそうな。木は木の中でこそ育つ。

 人もまた人の中で育つ。家族はもちろん、いろいろな人達と触れ合う中で、互いに助あって成長する。

 屋久杉を代表するのが縄文杉。屋久島に自生する最大級の杉だ。

 

※版画は川瀬巴水(国立国会図書館デジタルより)


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