インドアで空調完備のカーペットコースなんて、
昭和のオッサンラジキチからすると天国みたいな環境なんでありますが、
その一方で路面が上がりすぎるとハイサイドという厄介な敵と戦うことになります。
セッティングだけでタイムを落とさず完全に解消するのはおそらく無理なので、
物理的に対処します。
定番としては、フロントタイヤのショルダーをグルーコート(瞬着を薄く塗る)
してしまう方法がありますが、一度塗ってしまうと後戻りできないという欠点があります。
例えばキャンバーやキャスター角、はたまたダンパーセットを変えると、
タイヤの傾きやマシンのロール量でコーティングの効き位置も変化してしまいます。
最悪の場合は、ただの曲がらないタイヤになっちゃたり。
(逆にいうと肩の部分ってそれくらい重要!)
また厚塗りになったりサイドウォールにまでかかると硬くなってグリップが落ちてしまいます。
その他、レギュレーションで禁止されているレースだと使用できませんので
慎重に行わなければなりません。
そこで簡単に試せるのがビニールテープを貼るコーティング。(カーペット路面限定)
通常のビニテは0.2mm厚ですが、ここでは0.1mm厚の薄いタイプを使います。
(DIYで普通に入手可)
Rの付いたショルダー部という3D的な形状に貼り付けるので、
薄くないとシワができてしっくりなじまないのです。
ちょい難しそうですが、慣れればボディ塗装やハンダ付けより簡単です。
テープの幅を4分割に切ったら丁度いいくらいの幅(約3~4mm)になるので
タイヤの外周より長め(最後に持つところが無くならないように)に切って
ショルダーに引っ張り気味で貼ります。
1周巻いたらなるべく重なり代は少なめにカットするのがコツ。
多めに巻くほどショルダーが硬くなってグリップが落ちたりハネます。
アンダーにならずにハイサイドしなくなるオイシイ位置があるのですが
前述の通りセッティングやマシン、タイヤの形状によって変化するので
各自探してください。
例えばF1のフロントでSweepのスリックタイヤV5(F1FV5S-MPG)なら
上の画像的なイメージになります。
シャーシセットはキャンバー1.5度、キャスター9度の時です。
位置が分かれば瞬着コートしちゃいましょう。
■注意点
・ビニテがきっちり貼り付くタイヤと全く着かないタイヤがあります。
F1用SweepV5のように何パックでも何日でも剥がれないタイヤもあれば
着かないタイヤはどんなにクリーナーで下処理してもツルンと剥がれてしまいます。
その場合は諦めましょう。
レース中に剥がれて落としたら他への大迷惑となりますので。