もちろん競技レベルにおいてライバル製品と戦えるタイヤを開発するわけですから、
単純にハイグリップであることは当たり前に求められる要素です。
しかしトータルでユーザーにとってどれくらい利用しやすい製品であるかというのも、
これまたとても大事なことです。
ウザい前置きとなりますが、これこそが一番大事なのでしばしお付き合いを。
まずは製品が安定供給されるかどうか。
走りに直結するタイヤはなおさらこれに尽きます。
私もそれなりに業界を歩いてきたのでなんやかんやの事情から
入荷が滞ってしまうことがあるのも充分理解できます。
特に輸入モノなど代理店の自由が利かない悩みも察します。
ただそういったネックになるポイントを一つ一つ潰して改善し、
いいモノを安定供給してくれるメーカーがあるのなら、
それは販売店にとってもユーザーにとっても助かるわけです。
レースを行っているのならなおさらです。
欲しい時に入手したい。
わがままと言われようがなんだろうがそれがユーザー心理です。
そういうことから国内メーカーである采ブランドの製造であれば
信頼性や安定感も高いですしレスポンスも早い。
要望など声も届きやすいのは安心感につながりますよね。
国内でちゃんと流通され販売店でフツーに買える。
JAPANブランドならではの強みです。
続いて素材についてです。
「あの製品よかったのに無くなってしまったね」とか、
販売終了がアナウンスされ消えていく製品など、少なからず耳にしますよね。
それにはいろいろな都合があると思いますが、
例えば競技用タイヤに関しては特定の材料不足が何年も前から問題視されていました。
そしてその都合から生産できなくなる製品もあるということです。
そこで采ブランドは、
そういった消えゆく素材に依存しない新しいマテリアルでのタイヤ開発に着手してきたわけです。
つまり今後永続的に安定供給するための努力ですね。
そして長期に渡る努力が実り、既存品に対抗できる新型タイヤの開発に成功したわけです。
しかもあえて既存品と申しておりますが、それらもいつ消えるかわからないのです。
そういう危うい世情の中、先手を打って新製品開発を成功させる。
頭の下がる思いです。
そしてお気付きと思いますが、これはF1用から着手したというだけであって、
その他すべてのカテゴリーに関係してくる業界的に大事なプロジェクトなんですね。
開発者本人は「メーカーとして当たり前のこと」と語りますが、
その当たり前を当たり前に行うのが難しい世の中でもあります。
しかもこういったことはあまり多く語られないし評価されにくいので、
ちょいとオイラが代行して生意気に語らせていただきました。
さて前回箇条書きした「タイヤに求められる要素」のうち、
今回は以下の二つについて説明いたしました。
次は本題に入れるかな(≧∇≦)
安定供給
素材
仕様(形状・サイズ・製品構成・ホイールの機能性)
グリップ力
走行特性(走り心地)
ライフ
グリップ剤との相性
重量
耐久性
価格