前を向いて歩こう

 何歳になっても、前を向いて歩いていきたいものだと思います。
 

インドで考えたこと (岩波新書 青版)  / 堀田善衛著

2010年05月25日 22時12分49秒 | 
 インドに歴史は無く、そこには「永遠」があり、近代小説家である著者は、「近代小説」

では永遠だけは扱わないので、困るというようなことが書いてあって、感慨深い。195

0年代にインドへペンクラブの会合で渡った著者の記録、エッセイ。日本から西へと行く飛

行機の中から見下ろすデルタ地帯に大河が何本も流れる様子は、自然という言葉に日本人が

感じるものとはまったく別の、野蛮で、手に負えず圧倒されるものと感じさせるもの。

 

パキスタンの様子も出てくる。家財というものがない、家とよぶには慎ましい、土でで

きた家で暮らす人の様子。そこへの道中バスで乗り合わせた老人は、「(日本は)ロシアに

勝った(勝ってすごい)と思ったら、自分ら(インドやパキスタン)から搾取する英国と同

盟を結び、、(云々)」と日本人の著者に言う。50年後の今、世界の日本を見る目は今も同

じかもと思う。

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