たぬ吉くん、ありがとう

2013年7月に発生した
個人ブリーダー崩壊。

集合保護場所は、猫さんも人の心も荒んでいた。
そんな中、明るく振る舞ってくれていたひとりが

この子だった。
柄といい、見た目の愛らしさから
猫なのに 『 たぬ吉 』 と名付けてしまった。

幼く、何が起こったのかも理解していないふうで
それがまた悲しくもあり
また、明るさに励まされました。
人懐こい この子には “ 広報部長 ” をお願いし
人を怖がったり怯えたりする子ばかりのなか
お越し下さる里親希望の方々を和ませてくれました。
それでも、自分の幸せを探すように

寂しそうにお外を眺める日もありました。
里親さまは、早々にお越し下さったにもかかわらず
選ばれにくいであろうと思っていた
人慣れもしていなく、片目の不自由な
ロロちゃんをご希望下さいました。
そして後日、その相方に たぬ吉くんをとご希望下さった
とても優しいご夫婦。

里親さま宅に行ってからは
栄養もまわり、みるみる長毛化し
ブラッシングを楽しみ

夏にはサマーカットでも笑わせてくれました。
穏やかな優しさで包まれた たぬ吉くんは
もっともっと素敵な子になり

眼球摘出手術を受けたロロちゃんを
ナイトのように見守ってくれました。
本年6月に受けた定期健診で
前回より体重が急激に減っていた。
検査の結果は腎不全。
自宅輸液を続けてくださいましたが・・・
昨日の朝、苦しまずに旅立ったそうです。
何度も何度も電話越しで私に謝るお母さん。
『 ペットではなく家族でした 』
その言葉だけで、全てがわかります。
謝る事なんて何もない。
彼は幸せだった。
ごはんもロクに貰えず、愛情も貰えず
汚物まみれで異臭を放つ家で産まれ育ち
全員、生死がかかっていた。
新しい家族の元では
沢山の愛情を貰う事ができ
楽しい時間を過ごし
病気と共に闘い
大好きな家族に見守られながら
最期の時を、お家で看取って貰えました。
どれだけ対応しても
もっと こうしてあげれば良かったと
悔やむことは誰にでもありますが
恥じる事なんて、謝る事なんて何もない。
胸を張って、沢山愛したことを誇りに思ってください。

幸せなのが手に取るようにわかるお写真。
たぬ吉くん、がんばったね。
そしてありがとう。
里親さま、この子を愛してくれてありがとう。
お辛い中、お電話を下さって本当にありがとう。
たぬ吉くんは本日、荼毘に付されます。
明るいたぬ吉くんに似合う、穏やかな晴天の日です。
里親さまから皆さまに
【 定期健診は必ず受けて欲しい 】
そう言付かりました (。-人-。)

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