東京近代美術館でのTORIO展も8/25までになりました
大阪中之島美術館に9/14〜12/8で
巡回します
TORIO展で衝撃を受けた作品がある藤島武二の「匂い」だ
藤島武二について書いてみます
藤島武二 「匂い」大正4年(1915)
中国服の謎の女。テーブルの小瓶は嗅ぎタバコらしい。テーブルの花、テーブルのクロス、中国服の柄、背景、女の眼差し、不自然な左肩から腕、薬指の指輪…
マティスより濃密なエロティシズムを感じます
藤島武二は慶應3年(1867)に生まれ昭和18年(1943)に没した、薩摩出身の洋画家です。藤島は青年期まで日本画や禅の思想を修養して東洋美術を血肉化し、その後洋画家に転向しました。1歳年上で同郷の黒田清輝の推薦で、明治29年(1896)東京美術学校(現東京芸大)の教諭〜教授となり、明治38年(1905)にヨーロッパに留学したことで、ポスト印象派やフォーヴィスムの洗礼を受けて帰国。多くの弟子たちに慕われ、有島生馬、佐伯祐三、小磯良平、猪熊弦一郎など、次世代の画家たちに多大な影響を与えた。
驚くのは、明治、大正時代に活躍した画家ながら、アンニュイなエロティシズムを醸し出していることです
藤島武二 「婦人と朝顔」
明治37年(1904)
ヨーロッパ留学前年の「婦人と朝顔」明治37年ですよ!😮
2021年の「妖しい絵展」で実見し衝撃を受けました。まるでラファエル前派ですね
一転ルネサンス絵画を思わせる、昭和元年(1926)の「芳惠(ほうけい」と
「婦人半裸像」
モデルは、『伝説のモデル』佐々木カネヨ(お葉)、責め絵の伊藤晴雨のモデルで愛人、竹久夢二と内縁関係で「黒船屋」のモデル
夢二とお葉(佐々木カネヨ)
佐々木カネヨ
世紀末デカダンスからルネサンス絵画風まで、ローマン主義から明快な古典的作風まで、薩摩藩士の家に生まれ、青年期に禅や日本画を血肉化し、洋画家に転向した藤島武二はまさに近代日本の洋画家。彼の評価はこれからますます高まりそうな気がします
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