ヤマヒデの沖縄便りⅣ 歩き続けて 歩き続ける 再び

「基地の島」沖縄を歩き続け34年、気ままに綴ります。自然観察大好き。琉球諸島を戦場に据える「島嶼防衛」は愚の骨頂。
 

リュウキュウコノハズクの声を聞いた昨夜のことから…。(20230516)

2023年05月16日 | 沖縄暮らし

おはようございます。今日は晴れています。

 昨夜21時30分頃、自宅にいるとリュウキュウコノハズクの声が聞こえてきました。先月はオオコノハズクの声を時々きいておりましたのに、今度はリュウキュウコノハズク。ブギャン・ブギャン。眠くてもう寝ようかと思っていたのに、そういえばと「島の鳥類学」(水田拓・高木正興共編 海游舎 2018年刊)を引っ張り出しました。同書は琉球弧の野鳥の自然史を扱っている希有な本。専門書でなかなか読みづらい。

 しかし同書にフクロウ類の調査・分析結果が出ていたのを思い出したのです。読み始めたら止らなくなり、フクロウ類からヤンバルクイナまで、読みふけりました。自分の中に問題意識が形成されてくると、読めるものだと思いました。フクロウ類の調査は、まだまだアバウトすぎて役立つ論文ではありませんでした。研究者がたまに現地を訪ねて調べあげるのは困難です。当然すぎる結果です。

 ついでにヤンバルクイナについて読み始めたら、興味深いことがてんこ盛り。当ブログを継続して読まれている方には、察しが付くと思います。沖縄県などが進めている「ずっとやんばる ずっとイエネコ アクションプラン」への批判的検討です。すでに骨子をかいたところですが、色々と細かい点を調べ上げ、補充ないしは、別稿を書くつもりです。具体的な問題意識があると、脳内の細胞が活性化するのか、眠気が吹っ飛びました。論理展開も進みます。ヤンバルクイナというネーミングは、「鳥の保護には地元の理解が大切で、ヤンバルクイナの方が良い」と吉井正山階鳥類研究所標識研究室長が提言し、「オキナワオオクイナ」案がありましたが、「ヤンバルクイナ」になったそうです。この吉井博士を私は昔、存じておりました。私の鳥類学の先生のお一人でした。

 私は「ヤンバルクイナ」のそんな経緯を知りませんでしたから、もうびっくり。私にとって、一気に身近な鳥になってしまいました。話しは巡り巡って、やや訳が分からなくなっていますが、昔はヤンバルクイナは、沖縄島全体、それどころか宮古島あたりまでいたそうです。化石が出土している。それが沖縄島北部の一部にしかいなくなった。日本の野鳥としては唯一の飛べない鳥。否、飛ばなくても生存できる環境があったから飛翔能力が退化した。進化史はおもしろい。だから今、絶滅危惧種。

 吉井さんの聡明な提言を活かし、全琉球の唯一無二の固有種としての価値を知らしめ、猫主敵論を廃し、共存のために如何なる道があるのか探りたいものです。

 



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