タケ・タケ・エヴリバディ!

当ブログは「竹と生きる・竹を生かす」をメインテーマに、管理人の田舎暮らしの様子をお届けします。

「火の鳥<大地編>」(上巻)

2024年02月05日 | 読みました!見ました!

以前に手塚治虫の未完のライフワーク「火の鳥シリーズ」を読んだ時に、どの巻だったかは忘れましたが「手塚治虫の直筆の原稿下書き」が掲載されていました。「火の鳥<大地編>」と名付けられたその遺稿は、舞台のシナリオとして書かれていたものだとのことでした。

「へぇ〜手塚治虫は『火の鳥』シリーズとして<大地編>を構想していたのかぁ…」「読んでみたかったなぁ…」などと思っていたのですが、図書館のHPで検索していたら「小説・火の鳥<大地編>」が存在していることがわかりました。

「火の鳥<大地編>」は、そんな手塚治虫が生前に書き記した遺稿をもとに、直木賞作家の桜庭一樹がストーリーを創り上げた小説です。途中まで手塚治虫によって書かれたあらすじから物語をふくらませ、手塚作品のテイストを加えつつ桜庭一樹の小説に仕上がっています。さっそく図書館から借りて、先程「上巻」を読了しました。


1938年、日本占領下の上海。若く野心的な關東軍将校の間久部緑郎は、中央アジアのシルクロード交易で栄えた楼蘭に生息するという、伝説の「火の鳥」の調査隊長に任命される。資金源は、妻・麗奈の父で、財閥総帥の三田村要造だという。

困難な旅路を行く調査隊は、緑郎の弟で共産主義に共鳴する正人、その友で実は上海マフィアと通じるルイ、清王朝の生き残りである川島芳子、西域出身の謎多きマリアと、全員いわく付き。そこに火の鳥の力を兵器に利用しようともくろむ猿田博士も加わる。

苦労の末たどり着いた楼蘭で明らかになったのは、驚天動地の事実だった……。


最初は筆者の桜庭さんの文体になかなか慣れなくて(中国語やそのカタカナ読みがやたら多いし)苦労しましたが、上巻の3分の1くらいを読んだあたりから一気にストーリーに惹き込まれてしまいました。登場人物が手塚作品のお馴染みのキャラクターとして小説の巻頭に紹介されていたのも、ボクにとってはありがたかったです。

今までの手塚作品における「火の鳥の力」といえば「不老不死」でしたが、この「火の鳥<大地編>」における「火の鳥の力」は「タイムスリップ」です。「タイムスリップによって歴史を塗り替える」というストーリーが頻繁に登場し、日清戦争が行われない歴史、日清戦争で日本が敗北する歴史、日英同盟が結ばれない歴史などが、パラレルワールドのように展開されます。『時間を巻き戻して出来事をやり直す』という、最近の映画やテレビドラマなどでよく見る手法です。大もとは映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でしょうかね?

重要な登場人物の1人であるマリアは、タクラマカン砂漠にあった楼蘭王国の王女。歳を取らずに生き続けるマリアの姿は、「異形編」の八百比丘尼を彷彿させます。そして「火の鳥」ではお馴染みのキャラクターである、猿田博士も登場します。

ちょうど今、ボクは上巻を読み終えたところなんですが、最後には高野五十六(後の山本五十六:長岡市出身)も登場してきました。早く下巻を読みたくてウズウズしているところです。さっき下巻の予約をしましたので(待ち人数0です!)、明日か明後日には下巻を読み始めることができそうです。続きはまた下巻を読了後に

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