「火の鳥」大地編(下巻)を読了しました。原案・手塚治虫、著作・桜庭一樹の小説「火の鳥」です。上巻を読み終えてから、1週間ほどで下巻も読了しました。
上巻の舞台が近代の日清&日露戦争の時代だったわけですが、下巻は満州事変から日中戦争、太平洋戦争、そして敗戦までの物語です。「火の鳥の力」が「タイムスリップ」に使われ、『時間を巻き戻して出来事をやり直す』ということが、この時代を舞台に何度も小説の中で繰り返されます。「13度目の世界」とか「15度目の世界」なんていう言葉が小説の中で何度も使われ、読みながら「あれは何度目の世界だったかなぁ?」なんて思いながら読み進めました。
上巻から間をおくともっと訳わからなくなってしまうと思って、かなり頑張って一気に読み切った~って感じでした。頭の中がこんがりながらも、日本の近代史を振り返りながら読み進めましたよ。
火の鳥の力により近代アジアの太平洋戦争までの歴史が、鳳凰機関と呼ばれる一部の人間の手により17回も繰り返される。そこに人間の富と権力に対する欲望や苦悩が描かれ、活劇的要素も加わりグイグイと読むことができました。1つの小説として面白かったです。
ただこれはしょうがないことだけど、「やっぱりこれは手塚治虫の『火の鳥』じゃないよな」っていうのも、正直な感想でした。