吉野川源流モニュメントからさらに奥に進むと、木々の間から白い柱の様に滝が見えてくる。源流より奥というのも妙だが、この源流行の終点がここになる。横の崖を上ってさらに奥に行く人もいるようだが、特に何があるとは聞いてはいない。
滝の高さは15~20m程。直瀑だが、岩壁に伝う流れなので、迫力より優美差を感じる滝である。先行した二人もすでに撮影を始めているが、私とは撮影ポジションが違うようなので、こちらも遠慮なく三脚を立て、スローシャッターでの撮影を開始する。
滝の撮影に限らず、私はスローシャッターを多用するので三脚は必須である。遠征時に使う三脚はカーボン材質で四段式。使い勝手のいい三脚だが、やはり大きくかさばることに違いはなく、このように目立つ三脚を背負った人とはあまり出会わない。
先の二人が撮影を中断し、昼食の準備をしているようなので、私もお二人の近くに腰をおろして昼食にする。時間は11時を回っていた。
先ほどはモニュメントのところで少し言葉を交わしただけだが、こういう場所で会う人とは少しでも会話したいもの。聞けば、お二人は年に2回ほどここを訪れているが、今回は風がなく蒸し暑く感じるとか。山登りが中心の様で、滝屋の私とは興味が異なるのだが、ご来光の滝や高瀑はさすがにご存じだったし、「東赤石山登山層から見える滝があるでしょう、瀬場谷の」「八間滝ですね」といった会話もできる。「今日は氷室祭りでね。納める時は参加した時はあるが、出すときに参加したことがない」など、地元の話も興味深く聞かせていただいた。
食事を終え、撮影に戻る。いろいろ場所を変えながら撮影するが、滝下に入る時は、邪魔にならないようにタイミングを計る。きょうはD300sに17-70mmと28-300mmの両方を持ってきているので、レンズを換えながらの撮影になる。またD300sは動画も撮れるので、約30秒程の動画も撮ってみる。
撮影途中、もう一人訪問者がいたようだが、言葉を交わす機会もなく先に帰ってしまったようだ。ほどなく先のお二人も挨拶をしてこの場所を離れた。私も装備を片づけ、帰路に着く。この時点でペットボトル2本分の水分を取っていたので、リュックの底に入れてあったペットボトルと入れ替える。奥の滝出立は12時。
帰りは下りが主なので楽かと思ったが、岩場を越えていくのは結構大変だ。45分標識、つまり半分戻るのに1時間と少し。風景を楽しみながらとはいえ時間がかかっている。
ほぼ中間点にあった小滝。往路ではコンデジで撮影したが、好みなので三脚を据えて撮ると、魅力的な滝だ。滝壺はエメラルドグリーンで吸い込まれそうに美しい。このほかにも、美しい淵は数多くあるが、木々に邪魔され写真映えしない。道を外れ沢に降りればいいいのだが、少々危険なので自重。
「モニュメントまで60分」最初の渡河地点にあった山アジサイ。花の数は少ないのだが、心魅かれ、このほかにも何枚か写している。
「モニュメントまで75分」あと10分少々で帰りつけるポイントにあった小滝。これは道を少し外れないと全景を見れないのだが、ちょっとのぞいただけで、これはぜひ・・・と思い、斜面を慎重に降りて行った。見ると人が降りた跡がある。やはり趣味人だと見逃せない絵の様だ。
降りてみると期待した程ではないが、印象的な場所である。流れを分ける間の岩が何かの動物に見えるような?
車に戻ったのは14時15分。登山道に入ってから6時間半。ゆっくり回ったようで、踏み込まなかったところもあるので物足りない部分もあって、それでも達成感のある源流行だった。
汗でべとべとになった服を着替え、源流橋を出発したのは14時35分。時間的にも体力的にも余裕がないのでまっすぐ帰ることにする。
R194で寒風山を越え、西条市に入る。大樽の滝はいつものように水量が少ないので、スルーしたが、いつもはスルーする無名滝に今回は車を停めてしまった。道路沿いのなんでもない滝だが、撮影するのはこれが初めて。
いよ西条から高速に乗って高松西ICまで。帰宅したのは17時25分。
走行距離315km 10,371歩。もっと歩いたような気分だ。けれど今日も充実した遠征だった。