休日、若葉の茂る樹木に、
夏の通り雨が降っている。
そして、
白いカーテンを少し引くと、
通り雨があたりを冷やし、
涼しい風が窓から入ってくる。
アジサイが大玉の花になり、ガクアジサイがその背景に咲いている。梅雨に入り、湿度が高くジメジメするが、陽射しがさすと清々しい朝になり、一日良いことがあるような気がして活き活きとする。
電車を待っているとき、驟雨が降ると肌寒い、赤いカシミヤのセーターを見ると彼女かと目で追ってしまう。
浜辺の街の彼女は、ざわつくうつろな季節に入り、煌めく海の爽やかなそよかぜをそれでも運んでくる。