谷戸を通り抜けていくと、
枯葉の絨毯に秋の深まりを感じる。
金木犀にコスモス、
満開のコスモスを見ると、
色彩の鮮やかさに目が覚める。
日中の日差しの強さに半袖になり、家路につく頃には夕暮れを迎える。そして家に着くと顔を洗い、うがいをしごくごくと水を飲むと疲れがとれる。今日のように20度を超える気温だと、秋の爽やかさに清々しさを感じる。
そして、夏がどこかまだ隠れている陽気の煌く海の景色を見たくなる。
ヒロシを先頭に浜辺の街を歩き始めると、砂浜に向かってホテルから緩いスロープになっている。
僕たちは砂浜に向かって歩いていくと、早朝見たレストランはまだ静かなたたずまいだった。二人で歩いているよりも、その店はずいぶん近く感じた。ヤシの木に挟まれたその店には、きっとおいしい
ドライマティーニがあるだろうと思った。
そんなことを思っていると、暑そうなターコイズブルーの海が涼しそうに見えた。
「今年のアルバムに、この景色がはいるわよね」、と彼女は言うとカメラを向けていた。僕も地平線まで見えるターコイズブルーの海を見た。