危機管理について、宮崎先生のレポートをお借り
して考えてみたい。
関空水没、北海道地震による大停電。日本の危機
管理が試された。注目すべきはただちに自衛隊が
4000人、救援活動と給水のために出動したこと。
24時間以内に24000名の派遣態勢が組まれたこと
である。しかし9月10日から予定されていた米海
兵隊との共同訓練が中止となった。国家防衛より
人命救助という日本の戦後のヒューマニズム重視
は、時として国家安全保障の根幹に抵触する。
戦後レジュームの宿痾のようですね。
メディアは相変わらず国民の安全保障の優先課題
を「ライフラインの確保」(電気、水道、ガス)
においた。メディアも交通アクセス、そして原発
の被災状況報道を優先し、ついで「被災者」の訴
え(当然、行政への不満となる)。自衛隊が真っ
先に現場へ行って給水している様子や被災地での
危険な任務に就いていること等はあまり報じない。
定番はガソリンスタンド、スーパーに食料や電池、
ガスボンベを買い求める長い列。物流がとまり、
保冷庫も電気が来ないので腐食が始まる。
自然災害は日本が台風の通り道であり、火山列島
である以上、避けることが出来ないが、日頃の危
機管理が杜撰な実態がさらけ出された。
関空水没、北海道大停電を、もし「戦争」と仮定
して考えてみると、本当の危機に遭遇したときに
何を一番優先してなさねばならないか、日本の
対応はあべこべのケースが多いことを示した。
デジタル社会の到来では通信の確保、電源の確保
が重要である。いみじくも、報道では電池切れに
よる充電器の設置とか、公衆電話の無料開放とか
を大きく報じたが、充電設備と公衆電話が不足し
ていることが分かったのが学びの一つでした。
病院船をもたない日本には「移動する病院」と
いう発想がない。また多くの病院には自家発電
設備が脆弱であり、糖尿患者などは緊急措置が
必要になりました。
デジタル文明の下で重要課題は、光ファイバー
ケーブルの拠点の安全である。日本の海底ケー
ブルは、一本の基幹ルートに依存し、補完ルート
がない。ここを攻撃されると、ほぼ全ての日本の
通信網が破壊される。
関空のケースでは避難ルートが神戸へ向かう高速
船が三隻しかなかった。それも定員が110名。
海上の人工島に建てた飛行場は三十年で沈没する
と当初から予想されたのに、抜本的な代替プラン
はなく、鉄道などの沖合島へのアクセスは一本の
橋梁に頼っていた。
滑走路が水没したとき、駐機していた飛行機は僅
か三機、これは不幸中の幸いだった。東北大地震
のおり、仙台空港では駐機していた十数機の自衛
隊機が失われた。もし、空港がミサイル攻撃を受
けたときに、短時間で修復工事ができないという
日本の対応力の弱さもやはり深刻な問題である。
北海道地震でも、おどろくなかれ全戸が停電した。
電源を1箇所の発電所に依拠し、補完の選択肢が
ない。これは安全保障上の手抜かりだろう。また
原発が停止中であることが問題にならなかった。
原発が動いていれば全戸停電という事態は防げた
のではないのか。これを通信に置き換えると、
通信施設の源を襲撃されたら、ほぼ全ての日本の
通信が途絶えるということである。
空港で夜を明かした旅客の過半が外国人だった
他方、関空には2000人のツーリストが残されて
いると最初、報じられたが、実際には7800名も
いたのだ。メディアは立ち往生した旅客の弁当
とか水の配給の画面つくりをしていたが、被災
人数の掌握すらできていなかった。そればかり
か、非常食のストックがあまりにも少なかった。
今次、関空で何が起きていたか。
実は700名の中国人ツーリスト、250名の台湾か
らのツーリスト、そして70名の香港人(それぞ
れパスポートが異なる)。千名以上の旅客は、
中国系だったのである。
中国の大阪領事館は迅速に対応した
中国の大阪領事館はただちに行動を取った。
バスをチャーターして関空へ派遣し、中国人ツ
ーリスト選別し、交通アクセスの地点へと運ん
だのだ。しかも台湾客には「あなたが中国人で
あることを認めたら乗せてやる」と差別した。
これは台湾で問題となって台湾のメディアが騒
いだ。在日台湾機関はこうした措置をとらなか
った。このため中国系の台湾メディアが、中国
側の差別待遇を攻撃するのでなく、駐日大使の
謝長挺が無能だと、『中国時報』などは、この
ときとばかりに攻撃した。
幾つか思い出すことがある。
東日本大震災のとき、中国は新潟空港などに
チャーター機を飛ばし、十万人とも言われた
在日中国人を中国各地へ手際よく運んだ。
在日大使館に司令塔があるのだ。中央アジア
の小国キルギスで暴動が発生したおりには、
奥地のオシェというキルギス第二の都市に四
機のチャーター機を飛ばして、500名いたと
される中国人を救出した。
これが可能となるのは、逆に言えば外国にい
る中国人の動向さえ、出先の外交機関が把握
していること、携帯電話の連絡網があること
つまり防犯カメラを全土に張り巡らせて、
携帯電話の会話さえも防諜している国だから
こそ可能なのだが、基本的に中国人の多くが
軍事訓練をうけていて、危機にいかに対応で
きるかを、中国では日頃から実践しているか
らではないのだろうか?
デジタル社会、次世代通信機器や半導体開発
で、もはや日本の優位はあとかたもないと
いう実態が露呈した今回の災害から学んだの
である。
このように宮崎先生からはいつも私らの知ら
ざる情報を的確に説明してくださって勉強さ
せていただいてます。
こんな中で我が国流の防災対策をみんなで考
えていかなければ、同じことの繰り返しで終
わりますね。
信州のわが町は葡萄祭りが始まっています









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して考えてみたい。
関空水没、北海道地震による大停電。日本の危機
管理が試された。注目すべきはただちに自衛隊が
4000人、救援活動と給水のために出動したこと。
24時間以内に24000名の派遣態勢が組まれたこと
である。しかし9月10日から予定されていた米海
兵隊との共同訓練が中止となった。国家防衛より
人命救助という日本の戦後のヒューマニズム重視
は、時として国家安全保障の根幹に抵触する。
戦後レジュームの宿痾のようですね。
メディアは相変わらず国民の安全保障の優先課題
を「ライフラインの確保」(電気、水道、ガス)
においた。メディアも交通アクセス、そして原発
の被災状況報道を優先し、ついで「被災者」の訴
え(当然、行政への不満となる)。自衛隊が真っ
先に現場へ行って給水している様子や被災地での
危険な任務に就いていること等はあまり報じない。
定番はガソリンスタンド、スーパーに食料や電池、
ガスボンベを買い求める長い列。物流がとまり、
保冷庫も電気が来ないので腐食が始まる。
自然災害は日本が台風の通り道であり、火山列島
である以上、避けることが出来ないが、日頃の危
機管理が杜撰な実態がさらけ出された。
関空水没、北海道大停電を、もし「戦争」と仮定
して考えてみると、本当の危機に遭遇したときに
何を一番優先してなさねばならないか、日本の
対応はあべこべのケースが多いことを示した。
デジタル社会の到来では通信の確保、電源の確保
が重要である。いみじくも、報道では電池切れに
よる充電器の設置とか、公衆電話の無料開放とか
を大きく報じたが、充電設備と公衆電話が不足し
ていることが分かったのが学びの一つでした。
病院船をもたない日本には「移動する病院」と
いう発想がない。また多くの病院には自家発電
設備が脆弱であり、糖尿患者などは緊急措置が
必要になりました。
デジタル文明の下で重要課題は、光ファイバー
ケーブルの拠点の安全である。日本の海底ケー
ブルは、一本の基幹ルートに依存し、補完ルート
がない。ここを攻撃されると、ほぼ全ての日本の
通信網が破壊される。
関空のケースでは避難ルートが神戸へ向かう高速
船が三隻しかなかった。それも定員が110名。
海上の人工島に建てた飛行場は三十年で沈没する
と当初から予想されたのに、抜本的な代替プラン
はなく、鉄道などの沖合島へのアクセスは一本の
橋梁に頼っていた。
滑走路が水没したとき、駐機していた飛行機は僅
か三機、これは不幸中の幸いだった。東北大地震
のおり、仙台空港では駐機していた十数機の自衛
隊機が失われた。もし、空港がミサイル攻撃を受
けたときに、短時間で修復工事ができないという
日本の対応力の弱さもやはり深刻な問題である。
北海道地震でも、おどろくなかれ全戸が停電した。
電源を1箇所の発電所に依拠し、補完の選択肢が
ない。これは安全保障上の手抜かりだろう。また
原発が停止中であることが問題にならなかった。
原発が動いていれば全戸停電という事態は防げた
のではないのか。これを通信に置き換えると、
通信施設の源を襲撃されたら、ほぼ全ての日本の
通信が途絶えるということである。
空港で夜を明かした旅客の過半が外国人だった
他方、関空には2000人のツーリストが残されて
いると最初、報じられたが、実際には7800名も
いたのだ。メディアは立ち往生した旅客の弁当
とか水の配給の画面つくりをしていたが、被災
人数の掌握すらできていなかった。そればかり
か、非常食のストックがあまりにも少なかった。
今次、関空で何が起きていたか。
実は700名の中国人ツーリスト、250名の台湾か
らのツーリスト、そして70名の香港人(それぞ
れパスポートが異なる)。千名以上の旅客は、
中国系だったのである。
中国の大阪領事館は迅速に対応した
中国の大阪領事館はただちに行動を取った。
バスをチャーターして関空へ派遣し、中国人ツ
ーリスト選別し、交通アクセスの地点へと運ん
だのだ。しかも台湾客には「あなたが中国人で
あることを認めたら乗せてやる」と差別した。
これは台湾で問題となって台湾のメディアが騒
いだ。在日台湾機関はこうした措置をとらなか
った。このため中国系の台湾メディアが、中国
側の差別待遇を攻撃するのでなく、駐日大使の
謝長挺が無能だと、『中国時報』などは、この
ときとばかりに攻撃した。
幾つか思い出すことがある。
東日本大震災のとき、中国は新潟空港などに
チャーター機を飛ばし、十万人とも言われた
在日中国人を中国各地へ手際よく運んだ。
在日大使館に司令塔があるのだ。中央アジア
の小国キルギスで暴動が発生したおりには、
奥地のオシェというキルギス第二の都市に四
機のチャーター機を飛ばして、500名いたと
される中国人を救出した。
これが可能となるのは、逆に言えば外国にい
る中国人の動向さえ、出先の外交機関が把握
していること、携帯電話の連絡網があること
つまり防犯カメラを全土に張り巡らせて、
携帯電話の会話さえも防諜している国だから
こそ可能なのだが、基本的に中国人の多くが
軍事訓練をうけていて、危機にいかに対応で
きるかを、中国では日頃から実践しているか
らではないのだろうか?
デジタル社会、次世代通信機器や半導体開発
で、もはや日本の優位はあとかたもないと
いう実態が露呈した今回の災害から学んだの
である。
このように宮崎先生からはいつも私らの知ら
ざる情報を的確に説明してくださって勉強さ
せていただいてます。
こんな中で我が国流の防災対策をみんなで考
えていかなければ、同じことの繰り返しで終
わりますね。
信州のわが町は葡萄祭りが始まっています











